03-01 · 労働・雇用 · 手続系

残業代の計算方法|割増率・基礎賃金・未払い請求の手順

残業代(時間外労働・休日労働・深夜労働に対する割増賃金)は、労働基準法第37条で計算方法と割増率が定められています。「基礎賃金の計算」「割増率の適用」「合計額の算出」の3ステップで計算します。平成30年(2018年)「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(、通称「働き方改革関連法」)により、月60時間超の時間外労働の50%割増は令和5年(2023年)4月1日から中小企業にも適用されました。平成29年(2017年)民法(債権関係)改正(令和2年(2020年)4月1日施行)により、賃金請求権の消滅時効は5年(当面の間は3年)に変更され、催告の効果も「時効中断」から「完成猶予」に変更されています。この記事では、未払いがある場合の請求手順も解説します。

残業代(時間外労働・休日労働・深夜労働に対する割増賃金)は、労働基準法第37条で計算方法と割増率が定められています。「基礎賃金の計算」「割増率の適用」「合計額の算出」の3ステップで計算します。平成30年(2018年)「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(、通称「働き方改革関連法」)により、月60時間超の時間外労働の50%割増は令和5年(2023年)4月1日から中小企業にも適用されました。平成29年(2017年)民法(債権関係)改正令和2年(2020年)4月1日施行)により、賃金請求権の消滅時効は5年(当面の間は3年)に変更され、催告の効果も「時効中断」から「完成猶予」に変更されています。この記事では、未払いがある場合の請求手順も解説します。

カテゴリ:労働・雇用 / 種別:手続系
関連条文:(本法)労働基準法第32条・第35条第1項・第2項・第36条・第37条第1項・第3項・第4項・第5項・第38条の3・第38条の4・第41条第2号・第89条第2号・第115条・附則第138条(削除)/民法第150条第1項・第166条第1項

こんな方へ

  • 自分の残業代が正しく支払われているか確認したい
  • 残業代の計算方法を条文に基づいて理解したい
  • 固定残業代(みなし残業)が適法かどうか確認したい
  • 未払い残業代を請求したい

この記事でわかること

  • 残業代が発生する3つの類型(時間外・休日・深夜)と根拠条文(労基法第37条第1項・第4項)
  • 割増率の一覧(通常・深夜・休日・月60時間超)
  • 基礎賃金(1時間当たりの賃金)の計算方法
  • 固定残業代(みなし残業)の適法要件
  • 未払い残業代の時効と請求手順(労基法第115条・民法第150条第1項)
  • 代替休暇制度(労基法第37条第3項)の概要
  • 特別条項付き36協定の上限規制(労基法第36条第6項)

結論:残業代は「基礎賃金 × 割増率 × 時間数」で計算する

残業代は、通常の賃金に加えて、基礎賃金に一定の割増率を乗じた額を支払う仕組みです。一般的には以下の式で計算されます。

割増賃金 = 1時間当たりの基礎賃金 × 割増率 × 残業時間数

残業代の計算では、どの時間がどの割増区分に該当するかを正確に区別することが重要です。

割増率は労働基準法第37条で定められており、残業の種類によって異なります。

根拠条文:(本法)労働基準法第37条第1項(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

割増率一覧

種別割増率根拠
時間外労働(月60時間まで)25%以上(本法)労働基準法第37条第1項本文
時間外労働(月60時間超)※50%以上(本法)労働基準法第37条第1項ただし書
休日労働(法定休日)35%以上(本法)労働基準法第37条第1項本文
深夜労働(午後10時〜午前5時)25%以上(本法)労働基準法第37条第4項
時間外+深夜の重複50%以上各割増率の合算(労働基準法施行規則第20条
休日+深夜の重複60%以上各割増率の合算(労働基準法施行規則第20条
月60時間超+深夜の重複75%以上各割増率の合算

月60時間超の50%割増の中小企業適用について: 平成20年(2008年)労働基準法改正により大企業に適用された(2010年4月1日施行)が、労働基準法附則第138条により中小企業については猶予されていた。平成30年(2018年)働き方改革関連法により附則第138条が削除され、令和5年(2023年)4月1日から中小企業にも適用された。

※休日労働の割増(35%以上)は「法定休日」の場合に適用されます。 就業規則等で定めた所定休日(法定休日以外)の出勤は、時間外労働として扱われる点に注意が必要です。

今すぐやること

  1. タイムカード・勤怠記録を保存する(証拠として最重要)
  2. 給与明細を確認する(残業代の内訳が記載されているか)
  3. 1時間当たりの基礎賃金を計算する(下記「基礎賃金の計算」参照)
  4. 実際の残業時間数と支払われた額を照合する
  5. 未払いの可能性があると考えられる場合は労働基準監督署または専門家に相談する

判断フロー①:この労働は残業代が発生するか

この労働は残業代(割増賃金)の対象か?

残業代が発生する

  • 法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えた労働
  • 法定休日(週1日または4週4日)の労働
  • 午後10時〜午前5時の深夜労働

残業代が発生しない・注意が必要

  • 所定労働時間を超えただけで法定労働時間内
  • 管理監督者(労基法第41条第2号)
  • 専門業務型裁量労働制(労基法第38条の3)の対象者
  • 企画業務型裁量労働制(労基法第38条の4)の対象者
  • 高度プロフェッショナル制度(労基法第41条の2)の対象者

NOTE: 「管理職」の肩書があっても、実質的な管理監督権限がなければ管理監督者には当たらない。「名ばかり管理職」と評価される場合には、残業代の支払義務が認められる可能性がある(参考:東京地判平成20年(2008年)1月28日 日本マクドナルド事件は地裁判決ながら管理監督者性の判断について実務上参照される事例)。なお管理監督者に該当する場合でも深夜割増は適用される(最判平成21年(2009年)12月18日 ことぶき事件)。

判断フロー②:固定残業代(みなし残業)は適法か

雇用契約・就業規則に固定残業代の定めがあるか?

適法な固定残業代の要件を満たす

  • 固定残業代の金額と対応する時間数が明示されている
  • 固定残業代が対応時間分の割増賃金を下回っていない
  • 固定残業代を超えた時間外労働分は別途支払われている

適法要件を欠く可能性がある

  • 固定残業代の対応時間数が明示されていない
  • 固定残業代が「基本給に含む」とだけ定められ内訳が不明
  • 固定残業代の時間を超えても追加支払いがない

NOTE: 固定残業代制度は、要件を満たせば適法と評価される。要件を欠く場合は無効と判断される場合があり、未払いと評価される範囲が生じる可能性がある(最判平成24年(2012年)3月8日 テックジャパン事件最判平成30年(2018年)7月19日 医療法人康心会事件)。

① 残業代が発生する3つの類型

労働基準法は、時間外・休日・深夜の3種類の労働について割増賃金を義務付けています。

根拠条文:(本法)労働基準法第32条(労働時間) 根拠条文:(本法)労働基準法第37条第1項(割増賃金)

法定労働時間の上限

根拠条文:(本法)労働基準法第32条

使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
単位上限時間
1日8時間(労基法第32条第2項
1週間40時間(労基法第32条第1項。特例措置対象事業場は44時間:労基法第40条労基法施行規則第25条の2

この上限を超えた労働が「時間外労働」です。ただし、労働者と使用者が時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出ている場合に限り、法定時間を超える労働をさせることができます。

36協定と上限規制(労基法第36条)

根拠条文:(本法)労働基準法第36条(時間外及び休日の労働)

通常の36協定の上限

  • 月45時間
  • 年360時間

特別条項付き36協定(労基法第36条第6項、平成30年(2018年)働き方改革関連法で導入):

上限項目内容
1か月時間外労働+休日労働の合計が100時間未満
2〜6か月平均80時間以内(時間外労働+休日労働の合計)
1年720時間以内(時間外労働のみ)
月45時間超の月数年6回まで

→ 特別条項を締結していても、上記4つの上限を超える時間外労働は労働基準法違反となります(罰則:労基法第119条)。

法定休日(労基法第35条)

根拠条文:(本法)労働基準法第35条第1項

使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも一回の休日を与えなければならない。

根拠条文:(本法)労働基準法第35条第2項

前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

→ 原則は毎週1回以上ですが、4週4日以上の休日(変形休日制)でも適法。法定休日に働かせると35%以上の休日割増が発生します。就業規則で定めた所定休日(法定休日以外の休日)に出勤させた場合は休日割増ではなく時間外割増の対象となります。

② 基礎賃金(1時間当たり)の計算方法

割増賃金の計算の基礎となる「1時間当たりの賃金」は、月給制と時給制で計算方法が異なります。

根拠条文:(本法)労働基準法第37条第5項労働基準法施行規則第19条

月給制の場合

1時間当たりの基礎賃金 = 月給額 ÷ 月平均所定労働時間数

月平均所定労働時間数の計算:

月平均所定労働時間数 = 年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12

例: 年間所定労働日数240日・1日8時間の場合

  • 月平均所定労働時間数 = 240日 × 8時間 ÷ 12 = 160時間
  • 月給30万円の場合:300,000円 ÷ 160時間 = 1,875円/時間

基礎賃金から除外できる賃金

以下の手当は基礎賃金の計算から除外できます。

根拠条文:(本法)労働基準法第37条第5項労働基準法施行規則第21条

除外できる賃金内容
家族手当扶養家族の人数を基準として支給されるもの
通勤手当通勤距離・費用を基準として支給されるもの
別居手当単身赴任等による別居に対して支給されるもの
子女教育手当子の教育費用を補填する目的のもの
住宅手当住宅費用を基準として支給されるもの
臨時に支払われた賃金結婚祝い金等
1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金年2回の賞与等

注意: 「家族手当」「住宅手当」でも、全員一律支給や一定額で固定されたものは除外できない場合があります(手当の名称ではなく実態で判断:通達による)。

③ 残業代の計算例

実際の計算手順を確認します。

計算例(月60時間以内)

条件: 月給30万円・月平均所定労働時間160時間・月10時間の時間外労働(60時間以内)

① 1時間当たりの基礎賃金
   300,000円 ÷ 160時間 = 1,875円

② 時間外割増賃金(25%割増)
   1,875円 × 1.25 × 10時間 = 23,437円(端数処理あり)

③ 残業代合計
   23,437円

計算例(月60時間超)

条件: 月給30万円・月平均所定労働時間160時間・月70時間の時間外労働

① 1時間当たりの基礎賃金:1,875円

② 最初の60時間分(25%割増・労基法第37条第1項本文)
   1,875円 × 1.25 × 60時間 = 140,625円

③ 61〜70時間分(50%割増・労基法第37条第1項ただし書)
   1,875円 × 1.50 × 10時間 = 28,125円

④ 残業代合計:168,750円

④ 代替休暇制度(労働基準法第37条第3項)

月60時間超の時間外労働について、労使協定により有給の代替休暇を付与することで割増賃金の引上げ分の支払いに代えることができます。

根拠条文:(本法)労働基準法第37条第3項

使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(次項に規定する有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。

代替休暇の概要

項目内容
対象月60時間超の時間外労働の引上げ分(25%)のみ。25%(基本部分)は金銭で支払う必要あり
代替休暇の時間数「月60時間を超えた時間 × 換算率(例:50%-25%=25%)」
取得期間60時間超の時間外労働をした月の翌月1日から2か月以内
取得単位1日単位、半日単位、または労使協定で定める単位
取得の任意性労働者本人の判断(強制不可)
労使協定必要事項:(1)代替休暇の時間数の算定方法、(2)代替休暇の単位、(3)代替休暇を与えることができる期間、(4)取得日の決定方法・割増賃金の支払日(労基法施行規則第19条の2

→ 労働者が代替休暇を取得しない場合、または取得を希望しない場合は、50%以上の割増賃金を支払う必要があります。

⑤ 固定残業代(みなし残業代)の適法要件

固定残業代制度は要件を満たせば適法ですが、要件を欠くと無効になる場合があります。

固定残業代とは、実際の残業時間にかかわらず一定額を残業代として支払う制度です。判例上、主に以下の点が重視されています。

判例上重視される要件

  1. 対応時間の明示:固定残業代が何時間分の残業代に対応するか明示されていること
  2. 金額の充足:対応時間分の法定割増賃金額以上であること
  3. 超過分の追加支払:固定残業代を超えた時間外労働分は追加で支払うこと
  4. 判別可能性:通常の労働時間の賃金と割増賃金部分が明確に区別できること(最判平成24年(2012年)3月8日 テックジャパン事件最判平成30年(2018年)7月19日 医療法人康心会事件

要件を満たさない固定残業代は無効と判断される場合があり、支払った固定残業代部分が割増賃金の支払いに充当されないと判断されることもあります。この場合、未払いと評価される範囲が生じる可能性があり、使用者はその範囲について支払義務を負うことがあります。

⑥ 未払い残業代の時効と請求手順

未払い残業代には時効があります。請求する場合は早めに動くことが重要です。

時効(労働基準法第115条・2020年改正)

根拠条文:(本法)労働基準法第115条(時効)

この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による退職手当の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によって消滅する。

平成30年(2018年)働き方改革関連法により、賃金請求権の消滅時効は「2年」から「5年」に変更された(労基法第115条・令和2年(2020年)4月1日施行)。ただし、附則第143条第3項により当面の間は3年とされている。

適用期間時効
2020年4月1日以降の賃金3年(当面の間:労基法附則第143条第3項)・最終的には5年(労基法第115条)
2020年3月31日以前の賃金2年(旧労基法第115条)

民法第166条第1項の債権の消滅時効(5年・10年)の特則として、労働基準法第115条が適用されます。労基法の今回の改正は、平成29年(2017年)民法(債権関係)改正令和2年(2020年)4月1日施行)による債権の消滅時効の5年への統一を契機としたもの。

内容証明郵便(催告)の効果(民法第150条第1項・2020年民法改正)

根拠条文:(本法)民法第150条第1項(催告による時効の完成猶予)

催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

平成29年(2017年)民法(債権関係)改正令和2年(2020年)4月1日施行)により、「時効中断」は廃止され、「完成猶予」「更新」に変更された。

  • 催告(内容証明郵便)の効果:催告の時から6か月を経過するまでの間、時効は完成しない完成猶予
  • 6か月以内に裁判上の請求等を行わなければ、時効完成の効果は確定的に失われる
  • 「中断」の用語は2020年4月1日以降は使用しない

→ 改正前の「時効中断」と異なり、催告には時効を再びゼロからカウントし直す効果(更新)はない点に注意。確実な時効阻止のためには裁判上の請求等が必要。

請求の手順

Step 1:証拠の収集・保全

  • タイムカード・出退勤記録(コピーを保存)
  • 給与明細・賃金台帳
  • 業務メール・チャット記録(残業の実態を示すもの)
  • 雇用契約書・就業規則

Step 2:未払い額の計算

  • 実際の残業時間数を集計する
  • 基礎賃金を計算する
  • 法定割増賃金額を算出し、実際の支払い額と比較する

Step 3:使用者への請求

  • 内容証明郵便で未払い残業代の支払いを請求する
  • 効果:催告の時から6か月の完成猶予(民法第150条第1項)
  • 6か月以内に裁判上の請求等を行わなければ完成猶予の効果は失われる

Step 4:行政・法的手段の活用

  • 労働基準監督署への申告労基法第104条第1項):法令違反があれば是正勧告等の行政指導が行われる(ただし個別の民事的解決は別途必要)
  • 労働審判(労働審判法):裁判所で迅速(原則3回以内)に解決できる制度
  • 民事訴訟:少額訴訟(60万円以下)または通常訴訟

⑦ 就業規則への記載義務(労働基準法第89条)

割増賃金に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項(労基法第89条第2号)です。

根拠条文:(本法)労働基準法第89条第2号

賃金(臨時の賃金等を除く。次号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません(労基法第89条本文)。割増賃金の計算方法・固定残業代の内容等は第89条第2号の「賃金の決定、計算及び支払の方法」として就業規則に記載する必要があります。就業規則の内容が法定の割増率を下回る場合、その部分は無効となり労働基準法の基準が直接適用されます(労基法第13条)。

このテーマで使う条文一覧

条文法令区分内容
(本法)第32条労働基準法中核法定労働時間(1日8時間・1週40時間)
(本法)第35条第1項労働基準法中核法定休日(毎週1回以上)
(本法)第35条第2項労働基準法中核4週4日以上の変形休日制
(本法)第36条労働基準法中核36協定(時間外・休日労働の協定)・第6項(特別条項の上限規制)
(本法)第37条第1項労働基準法中核時間外・休日割増(本文:25%・35%、ただし書:月60時間超50%)
(本法)第37条第3項労働基準法中核代替休暇制度(労使協定による割増賃金引上げ分の代替)
(本法)第37条第4項労働基準法中核深夜割増(25%以上)
(本法)第37条第5項労働基準法中核割増賃金の基礎から除外する賃金
(本法)第38条の3労働基準法周辺専門業務型裁量労働制
(本法)第38条の4労働基準法周辺企画業務型裁量労働制
(本法)第41条第2号労働基準法周辺管理監督者の労働時間規制適用除外
(本法)第89条第2号労働基準法中核就業規則の絶対的必要記載事項(賃金の決定・計算・支払方法)
(本法)第115条労働基準法中核賃金請求権の消滅時効(5年、当面の間3年)
(本法)附則第138条労働基準法周辺中小企業の月60時間超50%割増の猶予措置(平成30年(2018年)働き方改革関連法で削除・令和5年(2023年)4月1日施行
(本法)第19条労働基準法施行規則周辺割増賃金の基礎となる賃金の計算方法
(本法)第20条労働基準法施行規則周辺割増賃金の重複計算
(本法)第21条労働基準法施行規則周辺割増賃金の基礎から除外する賃金(労基法第37条第5項の具体化)
(本法)第150条第1項民法中核催告による時効の完成猶予(2020年改正・「中断」から「完成猶予」へ)
(本法)第166条第1項民法周辺債権の消滅時効(5年・10年。労基法第115条の一般法)

まとめ

  • 残業代は「基礎賃金 × 割増率 × 時間数」で計算する(労基法第37条)
  • 割増率は時間外25%・月60時間超50%・休日35%・深夜25%以上(重複する場合は合算)
  • 月60時間超の50%割増労基法第37条第1項ただし書による。中小企業も令和5年(2023年)4月1日から適用(平成30年(2018年)働き方改革関連法による附則第138条削除)
  • 代替休暇制度(労基法第37条第3項):労使協定により月60時間超の引上げ分(25%)を有給休暇に代替可能
  • 基礎賃金は月給 ÷ 月平均所定労働時間数で計算(労基法第37条第5項により家族手当等は除外可能)
  • 特別条項付き36協定でも上限規制あり(労基法第36条第6項):1か月100時間未満・2〜6か月平均80時間以内・1年720時間以内・月45時間超は年6回まで
  • 法定休日は毎週1回以上または4週4日以上(労基法第35条第1項・第2項)
  • 管理監督者(労基法第41条第2号)は時間外・休日割増の適用外(深夜割増は適用:最判平成21年(2009年)12月18日 ことぶき事件
  • 専門業務型・企画業務型裁量労働制(労基法第38条の3・第38条の4)はみなし労働時間制
  • 固定残業代は対応時間の明示・金額の充足・超過分の追加支払・判別可能性が適法要件(最判平成24年(2012年)3月8日 テックジャパン事件最判平成30年(2018年)7月19日 医療法人康心会事件
  • 未払い残業代の時効は3年(当面の間。最終的には5年。労基法第115条・附則第143条第3項。平成30年(2018年)働き方改革関連法令和2年(2020年)4月1日施行
  • 平成29年(2017年)民法改正により「時効中断」は廃止され「完成猶予」「更新」に変更。内容証明郵便(催告)の効果は6か月の完成猶予(民法第150条第1項)
  • 請求にはタイムカード・給与明細等の証拠保全が最重要
  • 行政ルートは労働基準監督署への申告(労基法第104条第1項)、法的ルートは労働審判・民事訴訟

未払い額の計算や請求手続きは個別事情によって対応が異なるため、弁護士・社会保険労務士への相談をおすすめします。

関連ガイド