こんな方へ
- 建設業許可を初めて取得しようとしている
- 申請の流れと必要書類を一覧で確認したい
- 都道府県知事許可か国土交通大臣許可かを確認したい
- 申請から許可まで何日かかるか確認したい
- 申請前に何を準備すればよいか確認したい
この記事でわかること
- 都道府県知事許可と国土交通大臣許可の違い(どちらに申請するか)
- 申請から許可までの標準的な流れ
- 主な必要書類の一覧
- 申請費用(許可手数料・登録免許税)
- 許可後に必要な手続き(標識の掲示等)
結論:新規申請は「要件確認→書類収集→窓口提出→審査」の順で進める。申請先は事務所の所在地で決まる
根拠条文:建設業法 第3条(許可の区分)・建設業法 第5条(許可の申請)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請先(知事許可) | 営業所が1つの都道府県のみにある場合 → 都道府県知事に申請(実際に工事を行う地域の範囲とは関係ありません) |
| 申請先(大臣許可) | 営業所が2つ以上の都道府県にある場合 → 国土交通大臣に申請(各地方整備局等経由) |
| 標準処理期間 | 知事許可:都道府県によって異なります(目安として30〜90日程度) |
| 申請費用(新規) | 知事許可:許可手数料 90,000円(収入証紙等で納付)/ 大臣許可:登録免許税 150,000円 |
| 許可の有効期間 | 5年(有効期間満了前に更新申請が必要) |
重要: 申請書類の種類・様式・添付書類の要件は都道府県によって異なります。必ず申請前に申請先窓口に最新の書類一覧を確認してください。知事許可は登録免許税ではなく許可手数料で、大臣許可とは納付方法が異なる点に注意してください。
今すぐやること
- 5つの許可要件を満たしているか確認する(経管・専技・財産的基礎・誠実性・欠格要件)
- 都道府県知事許可か大臣許可かを確認する(営業所の所在地の数で決まる)
- 一般建設業か特定建設業かを確認する(元請として5,000万円以上下請発注するかどうか)
- 申請する業種(29業種のうち)を確定する
- 申請先窓口に事前相談する(書類の要件・提出方法は都道府県によって異なります)
判断フロー:どこに申請するか
申請先は都道府県か国土交通大臣か?
都道府県知事許可
- 営業所(主たる営業所・従たる営業所すべて)が1つの都道府県内に所在する
国土交通大臣許可
- 営業所が2つ以上の都道府県にまたがって所在する
許可区分(知事/大臣)は営業所の所在地で決まります。工事を行う地域の広さとは関係ありません。知事許可であっても全国で工事を行うことができます。
申請の流れ
Step 1:要件の確認(申請前)
→ 5つの許可要件をすべて満たしていることを確認します。要件を欠く状態で申請しても許可は受けられません。
根拠条文:建設業法 第7条(一般建設業の許可基準)
確認すべき5要件:
| # | 要件 | 主な確認事項 |
|---|---|---|
| 1 | 経営業務管理責任者 | 役員等として建設業の経営経験5年以上(または改正後の各ルート)・常勤であること |
| 2 | 専任技術者 | 許可業種に対応する資格または実務経験・各営業所に常勤であること |
| 3 | 財産的基礎 | 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること |
| 4 | 誠実性 | 請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれがないこと |
| 5 | 欠格要件非該当 | 役員等が法律に定める欠格事由に該当しないこと |
要件を満たしていない場合: 要件を満たしていない状態でも申請自体は可能ですが、審査において許可は認められません。特に経管・専技の要件は書類収集に時間がかかる場合があるため、早めに確認することを推奨します。
Step 2:申請先窓口への事前相談
→ 書類の種類・様式・添付書類の要件は都道府県によって異なります。申請書類の準備前に窓口への事前相談を強く推奨します。
事前相談で確認すること:
- 必要書類の最新リスト(都道府県ごとに異なります)
- 書類の様式(都道府県独自様式がある場合があります)
- 実務経験の証明方法(何年分・どの書類が必要かは都道府県によって異なります)
- 申請窓口の場所・受付時間・予約の要否
事前相談先:
- 知事許可:各都道府県の建設業担当窓口(土木事務所・建設業課等。都道府県によって異なります)
- 大臣許可:主たる営業所を管轄する地方整備局等の建設業担当窓口
Step 3:書類の収集・作成
→ 申請書類は「申請書類」と「添付書類」に分かれます。添付書類の取得に時間がかかる場合があります。
根拠条文:建設業法 第6条(許可申請書)
#### 主な申請書類(書式は都道府県・国土交通省所定のもの)
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 建設業許可申請書 | 申請者・申請業種・営業所等を記載 |
| 役員等の一覧表 | 役員・使用人等の氏名・役職等 |
| 営業所一覧表 | 営業所の所在地・電話番号等 |
| 専任技術者一覧表 | 専技の氏名・担当業種・資格等 |
| 工事経歴書 | 直近1年間の主要工事の実績 |
| 直前3年の各事業年度における工事施工金額 | 施工金額の実績 |
#### 主な添付書類(取得に日数が必要なものを含む)
| 書類 | 発行機関 | 備考 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書(法人の場合) | 法務局 | 発行から3ヶ月以内 |
| 定款の写し(法人の場合) | 自社で保管 | |
| 財務諸表・貸借対照表等 | 自社で作成 | 直前の事業年度分 |
| 経管の略歴書 | 自社で作成 | |
| 専技の資格証の写しまたは実務経験証明書 | 資格保有機関等 | 実務経験の場合は工事契約書等も必要 |
| 役員等の住民票・身分証明書 | 市区町村 | 欠格要件確認のため |
| 納税証明書 | 税務署・都道府県等 | 財産的基礎の証明 |
| 営業所の写真 | 自社で撮影 | 外観・内部・標識設置予定箇所等 |
注意: 上記は一般的な例です。都道府県によって必要書類の種類・記載内容・部数が異なります。申請前に窓口でリストを入手してください。
Step 4:申請書類の提出
→ 申請書類一式を窓口に提出します。書類に不備がある場合は補正を求められる場合があります。
提出時の注意点:
- 書類の不備・記載漏れは補正(訂正・追加)を求められる場合があります。補正が発生した場合、補正完了まで審査が一時停止する場合があります
- 提出前に全書類を自己チェックすることを推奨します
- 郵送申請が可能な場合があります(都道府県によって異なります)
申請費用(新規申請の場合):
| 許可区分 | 費用の名称 | 金額 | 納付方法 |
|---|---|---|---|
| 都道府県知事許可 | 許可手数料 | 90,000円 | 収入証紙等(都道府県によって異なる) |
| 国土交通大臣許可 | 登録免許税 | 150,000円 | 収入印紙または管轄税務署への現金納付 |
根拠条文:建設業法施行令 第5条の2
重要な区別: 知事許可は「許可手数料」(地方公共団体が徴収する手数料)であり、不許可・取下げの場合でも返還されません。一方、大臣許可は「登録免許税」(国税)であり、不許可・取下げの場合は還付されることがあります。
Step 5:審査
→ 申請書類の審査が行われます。審査期間は都道府県によって異なります。
審査期間の目安:
- 知事許可: 都道府県によって異なります(目安として申請受理から30〜90日程度とされることが多い。補正の有無によって変動します)
- 大臣許可: 知事許可より長くなる場合があります
審査中に追加書類の提出・補正を求められる場合があります。連絡が取れる状態にしておくことが重要です。
Step 6:許可証の交付・営業開始
→ 許可が下りたら許可証が交付されます。許可後も一定の手続きが必要です。
許可取得後にすること:
| 手続き | 期限 |
|---|---|
| 建設業許可票(標識)の掲示 | 営業開始前(各営業所・工事現場に掲示が必要) |
| 帳簿の備付け | 許可後(工事内容・請負金額等を記録) |
| 財務諸表等の作成・提出 | 毎事業年度終了後4ヶ月以内に決算変更届を提出 |
| 許可の更新申請 | 有効期限満了日の3ヶ月前〜30日前の間(都道府県によって異なります) |
申請から許可まで全体スケジュール例
事前相談・要件確認 ← 物件確定前から開始することを推奨
↓(1〜2週間)
書類収集・作成開始
↓(1〜3ヶ月)
※実務経験の証明書類・登記事項証明書等の取得期間を含む
申請書類の提出
↓(審査期間:30〜90日程度)
許可証の交付
↓
標識掲示・営業開始書類収集が長引く主な原因:
- 実務経験の証明書類が揃わない(古い工事契約書の紛失等)
- 財務諸表の作成が必要(税理士等への依頼期間)
- 住民票・身分証明書等の発行待ち
このテーマで使う条文一覧
| 条文 | 法令 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 第3条 | 建設業法(本法) | 中核 | 許可の区分(知事・大臣)・有効期間 |
| 第5条 | 建設業法(本法) | 中核 | 許可の申請(申請書の提出先) |
| 第6条 | 建設業法(本法) | 中核 | 許可申請書・添付書類 |
| 第7条 | 建設業法(本法) | 周辺 | 一般建設業の許可基準(5要件) |
| 第5条の2 | 建設業法施行令 | 周辺 | 申請手数料・登録免許税の金額 |
まとめ
建設業許可申請は、建設市場への参入適格性を行政庁が事前審査する行政手続です。要件確認・書類収集・申請・審査・許可交付の各段階は、いずれもこの事前審査を構成する要素として位置づけられます。
- 申請先は営業所の所在地で決まります(1都道府県→知事許可、複数→大臣許可)
- 申請前に5つの要件(経管・専技・財産・誠実性・欠格)を全て満たしているか確認することが必須です
- 書類の種類・様式は都道府県によって異なります。申請前に窓口への事前相談を強く推奨します
- 書類収集には1〜3ヶ月程度かかる場合があります。早めの準備が重要です
- 審査期間は30〜90日程度(都道府県による)。その間は補正への対応が必要になる場合があります
- 申請費用は知事許可:許可手数料 90,000円・大臣許可:登録免許税 150,000円(新規申請の場合)。納付方法が異なる点に注意
- 許可取得後は標識の掲示・決算変更届・更新申請等の継続的な手続きが必要です
申請書類の作成・要件確認は個別の事情によって異なるため、申請先窓口への事前相談および行政書士等の専門家への確認をおすすめします。