特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律

法令番号法令番号: 令和二年法律第七十九号
公布日公布日: 2020-12-11
法令種別法令種別: 法律
カテゴリーカテゴリー: 水産業
法令ID法令ID: 502AC0000000079

第一章 総則

第一条

(目的)
この法律は、国内において違法に採捕された水産動植物又は水産資源の保存及び管理のための我が国の措置に違反した行為に係る水産動植物の流通により水産資源の減少のおそれがあること及び海外において違法に採捕された水産動植物の輸入を規制する必要性が国際的に高まっていることに鑑み、これらの水産動植物の流通を防止するため、特定の水産動植物等について、取扱事業者間における情報の伝達並びに取引の記録の作成及び保存並びに適法に採捕されたものである旨を証する書類の輸出入に際する添付の義務付け等の措置を講ずることにより、当該水産動植物等の国内流通の適正化及び輸出入の適正化を図り、もって違法な漁業の抑止及び水産資源の持続的な利用に寄与するとともに、漁業及びその関連産業の健全な発展に資することを目的とする。

第二条

(定義)
この法律において「特定第一種水産動植物」とは、水産動植物のうち、次に掲げるものをいう。
国内において違法かつ過剰な採捕(外国漁船(日本船舶以外の船舶であって、漁ろう設備を有する船舶その他の漁業の用に供されているものをいう。第七項において同じ。)によるものを除く。)が行われるおそれが大きいと認められるもの(次号に掲げるものを除く。)であって、その資源の保存及び管理を図ることが特に必要と認められるものとして農林水産省令で定めるもの
次のイ又はロのいずれかに該当するもの
漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第二十六条第二項に規定する特別管理特定水産資源(同法の規定による措置のみによって違法かつ過剰な採捕を有効に防止することができると認められるものとして農林水産省令で定めるものを除く。)
水産資源の保存及び管理のための我が国の措置に違反する行為が行われるおそれが大きいと認められる水産動植物であって、その資源の保存及び管理を図ることが特に必要と認められるものとして農林水産省令で定めるもの
この法律において「特定第一種第一号水産動植物」とは、水産動植物のうち前項第一号に掲げるものをいい、「特定第一種第二号水産動植物」とは、水産動植物のうち同項第二号に掲げるものをいう。
この法律において「特定第一種水産動植物等」とは、次に掲げるものをいう。
特定第一種第一号水産動植物及び特定第一種第一号水産動植物を原材料とする加工品のうちその国内流通の規制に関する措置を講ずることが必要と認められるものとして農林水産省令で定めるもの
特定第一種第二号水産動植物及び特定第一種第二号水産動植物を原材料とする加工品のうちその国内流通の規制に関する措置を講ずることが必要と認められるものとして農林水産省令で定めるもの
この法律において「特定第一種第一号水産動植物等」とは、前項第一号に掲げるものをいい、「特定第一種第二号水産動植物等」とは、同項第二号に掲げるものをいう。
この法律において「特定第一種水産動植物等取扱事業者」とは、特定第一種水産動植物等の販売、輸出、加工、製造又は提供の事業を行う者をいう。
この法律において「適法漁獲等証明書」とは、特定第一種水産動植物等(加工品にあっては、その原材料である特定第一種水産動植物)が次の各号のいずれかに該当する旨を証する農林水産大臣又は第十四条第一項に規定する指定交付機関が交付する証明書をいう。
漁業法その他の関係法令の規定による特定第一種第一号水産動植物を採捕する権限に基づき採捕の事業を行う者によって採捕された特定第一種第一号水産動植物等であること。
輸入され、若しくは養殖された特定第一種第一号水産動植物(国内において採捕された特定第一種第一号水産動植物を用いて養殖されたものを除く。)又はこれらを原材料とする加工品である特定第一種第一号水産動植物等(以下「輸入・養殖特定第一種第一号水産動植物等」という。)であること。
第七条第一項又は第八条第一項の規定により伝達すべき事項を特定することができる特定第一種第二号水産動植物等であること。
輸入され、若しくは養殖された特定第一種第二号水産動植物又はこれらを原材料とする加工品である特定第一種第二号水産動植物等(以下「輸入・養殖特定第一種第二号水産動植物等」という。)であること。
この法律において「特定第二種水産動植物」とは、我が国に輸入される水産動植物のうち、外国漁船によって外国法令に照らし違法な採捕が行われるおそれが大きいと認められることその他の国際的な水産資源の保存及び管理を必要とする事由により輸入の規制に関する措置を講ずることが必要と認められるものとして農林水産省令で定めるものをいう。
この法律において「特定第二種水産動植物等」とは、特定第二種水産動植物及び特定第二種水産動植物を原材料とする加工品のうちその輸入の規制に関する措置を講ずることが必要と認められるものとして農林水産省令で定めるものをいう。
農林水産大臣は、第一項第一号並びに第二号イ及びロ並びに第七項の農林水産省令を定め、又はこれらを変更しようとするときは、あらかじめ、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。

第二章 特定第一種水産動植物等に関する規制

第一節 国内流通の規制に関する措置

第三条

(特定第一種第一号水産動植物の採捕の事業を行う者の届出)
特定第一種第一号水産動植物の採捕の事業を行う者であって、自らが採捕した特定第一種第一号水産動植物又はこれを原材料とする加工品である特定第一種第一号水産動植物等の譲渡しの事業を行おうとするもの(その所属する団体が当該者に代わってこれらの特定第一種第一号水産動植物等の譲渡しの事業を行う場合にあっては、当該団体)は、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、当該採捕の事業が漁業法その他の関係法令の規定による特定第一種第一号水産動植物を採捕する権限に基づき行われるものである旨その他の農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
農林水産大臣は、前項の規定による届出があった場合において、当該届出をした者が同項に規定する権限を有すると認めるとき(当該届出をした者が同項に規定する団体である場合にあっては、当該団体に所属する者が当該権限を有すると認めるとき)は、農林水産省令で定めるところにより、当該届出に係る番号を当該届出をした者に通知するものとする。
前項の規定による通知を受けた者(以下「届出採捕者」という。)は、第一項の規定による届出に係る事項に変更(当該届出に係る特定第一種第一号水産動植物の採捕の事業の廃止を含む。)があったときは、その日から二週間以内に、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

第四条

(届出採捕者による情報の伝達)
届出採捕者は、自ら(届出採捕者が前条第一項に規定する団体である場合にあっては、当該団体に所属する者)が採捕した特定第一種第一号水産動植物又はこれを原材料とする加工品である特定第一種第一号水産動植物等について他の特定第一種水産動植物等取扱事業者(特定第一種第一号水産動植物等の販売、輸出、加工、製造又は提供の事業を行う者に限る。以下この条から第六条までにおいて同じ。)への譲渡し又は引渡しをするときは、農林水産省令で定めるところにより、その包装、容器又は送り状への表示その他の方法により、これらの特定第一種第一号水産動植物等の名称、前条第二項の規定による通知に係る番号を含む漁獲に関する番号(以下「漁獲番号」という。)その他農林水産省令で定める事項を、当該他の特定第一種水産動植物等取扱事業者に伝達しなければならない。

第五条

(特定第一種水産動植物等取扱事業者間における特定第一種第一号水産動植物等に関する情報の伝達)
特定第一種水産動植物等取扱事業者は、他の特定第一種水産動植物等取扱事業者から譲り受け、又は引き受けた特定第一種第一号水産動植物等について他の特定第一種水産動植物等取扱事業者への譲渡し又は引渡しをするときは、農林水産省令で定めるところにより、その包装、容器又は送り状への表示その他の方法により、当該特定第一種第一号水産動植物等の名称、漁獲番号その他農林水産省令で定める事項を、当該他の特定第一種水産動植物等取扱事業者に伝達しなければならない。
前項の場合においては、特定第一種水産動植物等取扱事業者は、農林水産省令で定めるところにより、漁獲番号に代えて、荷口番号(漁獲番号以外の番号又は記号であって漁獲番号に対応するものをいう。以下同じ。)を伝達することができる。
他の特定第一種水産動植物等取扱事業者から特定第一種第一号水産動植物等の引渡しの委託を受けた特定第一種水産動植物等取扱事業者は、当該引渡しに当たって、前項の規定により荷口番号を伝達したときは、農林水産省令で定めるところにより、当該荷口番号を、当該委託をした特定第一種水産動植物等取扱事業者に伝達しなければならない。
輸入・養殖特定第一種第一号水産動植物等についての第一項の規定の適用については、同項中「漁獲番号」とあるのは、「輸入・養殖特定第一種第一号水産動植物等である旨」とする。

第六条

(特定第一種第一号水産動植物等に関する取引の記録の作成及び保存)
特定第一種水産動植物等取扱事業者は、特定第一種第一号水産動植物等について他の特定第一種水産動植物等取扱事業者(これに準ずる者として農林水産省令で定めるものを含む。)との間での譲渡し等(譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは引受けをいう。以下この項及び第九条において同じ。)をしたとき、又は廃棄若しくは亡失をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、当該特定第一種第一号水産動植物等に関する次に掲げる事項の記録を作成し、当該譲渡し等又は当該廃棄若しくは亡失をした日から農林水産省令で定める期間保存しなければならない。
ただし、届出採捕者が第三条第一項に規定する団体である場合において当該団体に所属する者が当該届出に係る特定第一種第一号水産動植物等の譲渡し等をした場合、少量の特定第一種第一号水産動植物等について廃棄又は亡失をした場合その他の農林水産省令で定める場合は、この限りでない。
名称
重量又は数量
譲渡し等又は廃棄若しくは亡失をした年月日(亡失をした場合であってその年月日が明らかでないときは、時期)
譲渡し等をしたときは、相手方の氏名又は名称
漁獲番号又は荷口番号
その他農林水産省令で定める事項
特定第一種水産動植物等取扱事業者は、前条第二項の規定により荷口番号を伝達する場合にあっては、当該荷口番号に対応する漁獲番号の記録を作成し、保存しなければならない。
輸入・養殖特定第一種第一号水産動植物等についての第一項の規定の適用については、同項第五号中「漁獲番号又は荷口番号」とあるのは、「輸入・養殖特定第一種第一号水産動植物等である旨」とする。

第七条

(特定第一種第二号水産動植物採捕事業者による情報の伝達)
特定第一種第二号水産動植物の採捕の事業を行う者であって、自らが採捕した特定第一種第二号水産動植物又はこれを原材料とする加工品である特定第一種第二号水産動植物等の譲渡しの事業を行うもの(以下「特定第一種第二号水産動植物採捕事業者」という。)は、これらの特定第一種第二号水産動植物等について他の特定第一種水産動植物等取扱事業者(特定第一種第二号水産動植物等の販売、輸出、加工、製造又は提供の事業を行う者に限る。以下この条から第九条までにおいて同じ。)への譲渡し又は引渡しをするとき(当該引渡しの相手方に自らが採捕した特定第一種第二号水産動植物の計量の委託をしている場合にあっては、譲渡しをするとき)は、農林水産省令で定めるところにより、その包装、容器又は送り状への表示その他の方法により、これらの特定第一種第二号水産動植物等の名称、これらの特定第一種第二号水産動植物等(加工品にあっては、その原材料である特定第一種第二号水産動植物)の採捕に使用した船舶等(漁業法第八条第三項に規定する船舶等をいう。次条第一項において同じ。)の名称及び採捕後、譲渡し、引渡し又は加工をする時までの間に計量した重量その他農林水産省令で定める事項を、当該他の特定第一種水産動植物等取扱事業者に伝達しなければならない。
前項の場合において、特定第一種第二号水産動植物採捕事業者が譲渡し又は引渡しをする特定第一種第二号水産動植物等について、同項の規定により伝達すべき事項を当該譲渡し又は引渡しの相手方が知ることができるようにする措置として農林水産省令で定めるものがとられている場合であって、当該特定第一種第二号水産動植物採捕事業者が、農林水産省令で定めるところにより、当該事項を知ることができる方法を当該相手方に伝達したときは、当該特定第一種第二号水産動植物採捕事業者は、同項の規定による伝達をしたものとみなす。

第八条

(特定第一種水産動植物等取扱事業者間における特定第一種第二号水産動植物等に関する情報の伝達)
特定第一種水産動植物等取扱事業者は、他の特定第一種水産動植物等取扱事業者から譲り受け、又は引き受けた特定第一種第二号水産動植物等について他の特定第一種水産動植物等取扱事業者への譲渡し又は引渡しをするときは、農林水産省令で定めるところにより、その包装、容器又は送り状への表示その他の方法により、当該特定第一種第二号水産動植物等の名称、当該特定第一種第二号水産動植物等(加工品にあっては、その原材料である特定第一種第二号水産動植物)の採捕に使用した船舶等の名称及び前条第一項に規定する重量その他農林水産省令で定める事項を、当該他の特定第一種水産動植物等取扱事業者に伝達しなければならない。
輸入・養殖特定第一種第二号水産動植物等についての前項の規定の適用については、同項中「当該特定第一種第二号水産動植物等(加工品にあっては、その原材料である特定第一種第二号水産動植物)の採捕に使用した船舶等の名称及び前条第一項に規定する重量」とあるのは、「輸入・養殖特定第一種第二号水産動植物等である旨」とする。
前条第二項の規定は、第一項(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による特定第一種水産動植物等取扱事業者間における情報の伝達について準用する。

第九条

(特定第一種第二号水産動植物等に関する取引の記録の作成及び保存)
特定第一種水産動植物等取扱事業者は、特定第一種第二号水産動植物等について他の特定第一種水産動植物等取扱事業者(これに準ずる者として農林水産省令で定めるものを含む。)との間での譲渡し等をしたとき、又は廃棄若しくは亡失をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、当該特定第一種第二号水産動植物等に関する第六条第一項第一号から第四号までに掲げる事項その他農林水産省令で定める事項の記録を作成し、当該譲渡し等又は当該廃棄若しくは亡失をした日から農林水産省令で定める期間保存しなければならない。
ただし、少量の特定第一種第二号水産動植物等について廃棄又は亡失をした場合その他の農林水産省令で定める場合は、この限りでない。

第十条

(勧告及び命令)
農林水産大臣は、届出採捕者が第四条の規定を遵守していないと認めるときは、当該届出採捕者に対し、必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。
農林水産大臣は、特定第一種水産動植物等取扱事業者が第五条第一項(同条第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)若しくは第三項、第六条第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)若しくは第二項、第八条第一項(同条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は前条の規定を遵守していないと認めるときは、当該特定第一種水産動植物等取扱事業者に対し、必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。
農林水産大臣は、特定第一種第二号水産動植物採捕事業者が第七条第一項の規定を遵守していないと認めるときは、当該特定第一種第二号水産動植物採捕事業者に対し、必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。
農林水産大臣は、第一項に規定する勧告を受けた届出採捕者、第二項に規定する勧告を受けた特定第一種水産動植物等取扱事業者又は前項に規定する勧告を受けた特定第一種第二号水産動植物採捕事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該届出採捕者、当該特定第一種水産動植物等取扱事業者又は当該特定第一種第二号水産動植物採捕事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

第十一条

(特定第一種水産動植物等取扱事業者の届出)
特定第一種水産動植物等取扱事業者は、その事業の開始の日から二週間以内に、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
ただし、届出採捕者(届出採捕者が第三条第一項に規定する団体である場合にあっては、当該団体に所属する者を含む。)が当該届出に係る特定第一種水産動植物等の販売、輸出、加工、製造又は提供の事業を行う場合その他の農林水産省令で定める場合は、この限りでない。
氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
事務所又は事業所の所在地
その他農林水産省令で定める事項
前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る事項に変更(当該届出に係る事業の廃止を含む。)があったときは、その日から二週間以内に、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

第十二条

(特定第一種水産動植物等に係る通報)
特定第一種水産動植物等取扱事業者は、他の特定第一種水産動植物等取扱事業者から譲り受けた特定第一種水産動植物等(加工品にあっては、その原材料である特定第一種水産動植物)が漁業法その他の関係法令に違反して採捕された疑いがあると思料するときは、速やかに、その旨を農林水産大臣に通報するように努めなければならない。
第二節 輸出の規制に関する措置

第十三条

(輸出の規制)
特定第一種水産動植物等取扱事業者は、適法漁獲等証明書を添付してあるものでなければ、特定第一種水産動植物等を輸出してはならない。
適法漁獲等証明書の交付を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、申請書に農林水産省令で定める書類を添付して、農林水産大臣に申請をしなければならない。
農林水産大臣は、前項の申請に係る特定第一種水産動植物等(加工品にあっては、その原材料である特定第一種水産動植物)が第二条第六項各号のいずれかに該当すると認められるときは、農林水産省令で定めるところにより、適法漁獲等証明書を交付しなければならない。
適法漁獲等証明書の交付を受けた者(次項及び第六項において「証明書受領者」という。)は、適法漁獲等証明書を亡失し、又は適法漁獲等証明書が滅失したときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に申請をして、適法漁獲等証明書の再交付を受けることができる。
証明書受領者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、農林水産省令で定めるところにより、その適法漁獲等証明書(第二号の場合にあっては、発見し、又は回復した適法漁獲等証明書)を、農林水産大臣に返納しなければならない。
次項の規定により適法漁獲等証明書の効力が取り消されたとき。
前項の規定により適法漁獲等証明書の再交付を受けた後において亡失し、又は滅失した適法漁獲等証明書を発見し、又は回復したとき。
農林水産大臣は、証明書受領者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律に基づく処分に違反した場合には、その適法漁獲等証明書の効力を取り消すことができる。

第十四条

(指定交付機関による交付事務)
農林水産大臣は、その指定する者(以下「指定交付機関」という。)に、適法漁獲等証明書の交付に関する事務(以下「交付事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。
農林水産大臣は、前項の規定により指定交付機関に交付事務の全部又は一部を行わせるときは、適法漁獲等証明書の交付を受けようとする者が確実にその交付を受ける機会を確保するため特に必要があると認めるときを除き、当該交付事務の全部又は一部を行わないものとする。
指定交付機関が交付事務を行う場合における前条第二項から第五項までの規定の適用については、同条第二項中「農林水産大臣」とあるのは「指定交付機関(次条第一項に規定する指定交付機関をいい、第十五条第一項の規定により一部の交付事務(次条第一項に規定する交付事務をいう。以下この項において同じ。)の区分に係る指定を受けた者、第二十六条の規定により交付事務の一部を休止し、若しくは廃止した者、第二十七条の規定により交付事務の一部の停止を命ぜられた者又は天災その他の事由により交付事務の一部を実施することが困難となった者にあっては、当該特定第一種水産動植物等に係る交付事務を行うことができるものに限る。以下この条において同じ。)」と、同条第三項及び第四項中「農林水産大臣」とあるのは「指定交付機関」と、同条第五項中「農林水産大臣」とあるのは「農林水産大臣(第二号の場合にあっては、指定交付機関)」とする。

第十五条

(指定)
前条第一項の規定による指定(以下「指定」という。)は、農林水産省令で定める区分ごとに、農林水産省令で定めるところにより、交付事務を行おうとする者の申請により行う。
前項の申請は、当該申請をする者の名称、住所及び交付事務を行う事務所の所在地その他農林水産省令で定める事項を記載した申請書を農林水産大臣に提出してしなければならない。

第十六条

(欠格条項)
次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
第二十七条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

第十七条

(指定の基準)
農林水産大臣は、第十五条第一項の規定により指定の申請をした者が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
当該申請に係る交付事務を適正かつ確実に実施することができる経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。
法人にあっては、その役員又は法人の種類に応じて農林水産省令で定める構成員の構成が、交付事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
交付事務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって交付事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

第十八条

(指定の更新)
指定は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
前三条の規定は、前項の指定の更新について準用する。

第十九条

(変更の届出)
指定交付機関は、その名称、住所又は交付事務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

第二十条

(交付事務規程)
指定交付機関は、交付事務に関する規程(以下「交付事務規程」という。)を定め、交付事務の開始前に、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
交付事務規程で定めるべき事項は、農林水産省令で定める。
農林水産大臣は、第一項の認可の申請に係る交付事務規程が交付事務の適正かつ確実な実施を確保するために必要なものとして農林水産省令で定める基準に適合していると認めるときは、その認可をするものとする。
農林水産大臣は、第一項の認可に係る交付事務規程が前項の農林水産省令で定める基準に適合しなくなったと認めるときは、指定交付機関に対し、その交付事務規程を変更すべきことを命ずることができる。

第二十一条

(帳簿の記載等)
指定交付機関は、農林水産省令で定めるところにより、帳簿を備え、適法漁獲等証明書の交付に関し農林水産省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
指定交付機関は、農林水産省令で定めるところにより、適法漁獲等証明書の交付を受けようとする者から提出された申請書及び第十三条第二項の農林水産省令で定める書類を保存しなければならない。

第二十二条

(情報提供の求め)
指定交付機関は、国、都道府県その他の官公署に対し、交付事務を行うために必要な情報の提供を求めることができる。
農林水産大臣又は都道府県知事は、指定交付機関が交付事務を適正かつ確実に実施するために必要な限度において、その保有する特定第一種水産動植物等取扱事業者に関する情報を提供することができる。

第二十三条

(秘密保持義務等)
指定交付機関の役員(法人でない指定交付機関にあっては、当該指定を受けた者。次項及び第三十九条において同じ。)若しくは職員又はこれらの職にあった者は、交付事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
交付事務に従事する指定交付機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

第二十四条

(適合命令)
農林水産大臣は、指定交付機関が第十七条各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該指定交付機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

第二十五条

(改善命令)
農林水産大臣は、指定交付機関が第十四条第三項の規定により読み替えて適用する第十三条第三項の規定に違反していると認めるときその他交付事務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、当該指定交付機関に対し、交付事務を行うべきこと又は交付事務の実施の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

第二十六条

(事務の休廃止)
指定交付機関は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の許可を受けなければ、交付事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

第二十七条

(指定の取消し等)
農林水産大臣は、指定交付機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて交付事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
第十六条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。
第十九条、第二十一条又は前条の規定に違反したとき。
第二十条第一項の認可を受けた交付事務規程によらないで交付事務を行ったとき。
第二十条第四項、第二十四条又は第二十五条の規定による命令に違反したとき。
不正の手段により指定(第十八条第一項の指定の更新を含む。)を受けたとき。

第二十八条

(交付事務の引継ぎ等)
次に掲げる場合であって、農林水産大臣が交付事務の全部又は一部を自ら行う場合における交付事務の引継ぎその他の必要な事項については、農林水産省令で定める。
指定交付機関が第二十六条の許可を受けて交付事務の全部又は一部を休止し、又は廃止した場合
前条の規定により指定を取り消し、又は指定交付機関に対し交付事務の全部若しくは一部の停止を命じた場合
指定交付機関が天災その他の事由により交付事務の全部又は一部を実施することが困難となった場合

第二十九条

(公示)
農林水産大臣は、指定をしたときは、当該指定に係る指定交付機関の名称、住所及び交付事務を行う事務所の所在地並びに指定に係る交付事務の区分を公示するものとする。
農林水産大臣は、次に掲げる場合には、その旨を公示するものとする。
第十九条の規定による届出があったとき。
第二十六条の許可をしたとき。
第二十七条の規定により指定を取り消し、又は交付事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
農林水産大臣が交付事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行っていた交付事務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。

第三十条

(指定交付機関がした処分等に係る審査請求)
指定交付機関が行う適法漁獲等証明書の交付に係る処分又はその不作為について不服がある者は、農林水産大臣に対し、審査請求をすることができる。
この場合において、農林水産大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定交付機関の上級行政庁とみなす。

第三章 特定第二種水産動植物等に関する規制

第三十一条

特定第二種水産動植物等は、当該特定第二種水産動植物等(加工品にあっては、その原材料である特定第二種水産動植物)が適法に採捕されたものであることを証する外国の政府機関により発行された証明書その他の農林水産省令で定める書類を添付してあるものでなければ、輸入してはならない。

第四章 雑則

第三十二条

(立入検査等)
農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定第一種水産動植物等取扱事業者若しくは特定第二種水産動植物等の輸入の事業を行う者若しくはこれらの者とその事業に関して関係のある事業者に対し、その業務に関し、必要な報告若しくは帳簿、書類その他の物件の提出を求め、又はその職員に、これらの者の工場、店舗、事務所、事業所、船舶、車両若しくは倉庫その他の場所に立ち入り、業務の状況若しくは特定第一種水産動植物等若しくは特定第二種水産動植物等、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは従業者その他の関係者に質問させることができる。
農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定交付機関に対し、その交付事務に関し、必要な報告若しくは帳簿、書類その他の物件の提出を求め、又はその職員に、指定交付機関の事務所に立ち入り、交付事務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは従業者その他の関係者に質問させることができる。
前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

第三十三条

(権限の委任等)
この法律に規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、その一部を地方支分部局の長に委任することができる。
この法律に規定する農林水産大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。

第三十四条

(経過措置)
この法律に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第五章 罰則

第三十五条

第三十一条の規定に違反した場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

第三十六条

第二十三条第一項の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

第三十七条

次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
第三条第一項の規定による届出をしないで特定第一種第一号水産動植物等の譲渡しを行い、又は虚偽の届出をしたとき。
第四条、第五条第一項(同条第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)若しくは第三項、第七条第一項又は第八条第一項(同条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定に違反して伝達をせず、又は虚偽の伝達をしたとき。
第六条第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)若しくは第二項又は第九条の規定に違反して記録を作成せず、若しくは虚偽の記録を作成し、又は記録を保存しなかったとき。
第十条第四項の規定による命令に違反したとき。
第十一条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
第十三条第一項の規定に違反したとき。
第三十二条第一項の規定による報告若しくは物件の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

第三十八条

第三条第三項又は第十一条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出を行った場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

第三十九条

次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした指定交付機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
第二十一条第一項の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
第二十一条第二項の規定に違反したとき。
第二十六条の許可を受けないで交付事務の全部又は一部を休止し、又は廃止したとき。
第三十二条第二項の規定による報告若しくは物件の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

第四十条

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第三十五条、第三十七条又は第三十八条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

附 則

第一条

(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
ただし、次条並びに附則第三条、第六条及び第七条の規定は、公布の日から施行する。

第二条

(経過措置)
第二条第一項及び第四項の農林水産省令を定めようとするときは、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前においても、水産政策審議会に諮問することができる。

第三条

特定第一種水産動植物の採捕の事業を行う者であって、施行日以後において自らが採捕した特定第一種水産動植物又はこれを原材料とする加工品である特定第一種水産動植物等の譲渡しの事業を行おうとするもの(その所属する団体が当該者に代わってこれらの特定第一種水産動植物等の譲渡しの事業を行う場合にあっては、当該団体)は、施行日の六月前の日から施行日の前日までの間においても、第三条第一項の規定の例により、農林水産大臣に届け出ることができる。
この場合において、その届出をした者は、施行日において同項の規定による届出をしたものとみなす。
農林水産大臣は、前項の規定による届出があった場合には、施行日前においても、第三条第二項の規定の例により、当該届出に係る番号を当該届出をした者に通知することができる。
この場合において、その通知を受けた者は、施行日において同項の規定により通知を受けたものとみなす。

第四条

第四条から第六条までの規定は、施行日以後に採捕される特定第一種水産動植物及びこれを原材料とする加工品である特定第一種水産動植物等について適用する。

第五条

この法律の施行の際現に特定第一種水産動植物等の販売、輸出、加工、製造又は提供の事業を行っている者についての第八条第一項の規定の適用については、同項中「その事業の開始の日から二週間以内に」とあるのは、「この法律の施行の日から一月以内に」とする。

第六条

適法漁獲等証明書の交付を受けようとする者は、施行日前においても、第十条第二項の規定の例により、その申請を行うことができる。
農林水産大臣は、前項の申請があった場合には、施行日前においても、第十条第三項の規定の例により、適法漁獲等証明書の交付を行うことができる。
この場合において、その交付を受けた者は、施行日において同項の規定により交付を受けたものとみなす。

第七条

(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

第八条

(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

附 則

この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。
ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第五百九条の規定 公布の日

附 則

第一条

(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則第三条及び第八条の規定 公布の日
附則第五条第二項及び第六条の規定 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日

第三条

(経過措置)
農林水産大臣は、第二条の規定による改正後の特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(以下「新流通適正化法」という。)第二条第一項第二号イ及びロの農林水産省令を定めようとするときは、施行日前においても、同条第九項の規定の例により、水産政策審議会に諮問することができる。

第四条

新流通適正化法第七条から第九条までの規定は、施行日以後に採捕される新流通適正化法第二条第二項に規定する特定第一種第二号水産動植物及びこれを原材料とする加工品である特定第一種第二号水産動植物等(同条第四項に規定する特定第一種第二号水産動植物等をいう。次条において同じ。)について適用する。

第五条

この法律の施行の際現に特定第一種第二号水産動植物等の販売、輸出、加工、製造又は提供の事業を行っている者についての新流通適正化法第十一条第一項の規定の適用については、同項中「その事業の開始の日から二週間以内に」とあるのは、「漁業法及び特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(令和六年法律第六十六号)の施行の日から一月以内に」とする。
施行日以後において特定第一種第二号水産動植物等の販売、輸出、加工、製造又は提供の事業を行おうとする者は、施行日前においても、新流通適正化法第十一条第一項の規定の例により、農林水産大臣に届け出ることができる。
この場合において、その届出をした者は、施行日において同項の規定による届出をしたものとみなす。

第六条

新流通適正化法第十四条第一項の規定による指定、新流通適正化法第二十条第一項の認可及び新流通適正化法第二十九条第一項の規定による公示並びにこれらに関し必要な手続その他の行為は、施行日前においても、新流通適正化法第十五条から第十七条まで、第二十条第一項から第三項まで及び第二十九条第一項の規定の例により行うことができる。
この場合において、当該指定、認可及び公示は、施行日において新流通適正化法第十四条第一項、第二十条第一項及び第二十九条第一項の規定によりされたものとみなす。

第七条

この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

第八条

(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

第九条

(検討)
政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。