厚生労働大臣は、当分の間、すべての指定入院医療機関において病床(病院の一部について法第十六条第一項の指定を受けている指定入院医療機関にあっては、その指定に係る病床)に余裕がない場合には、法第四十二条第一項第一号又は第六十一条第一項第一号の決定を受けた者であって、法第四十三条第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定めた指定入院医療機関(以下「委託指定入院医療機関」という。)に勤務する精神保健指定医による診察の結果、その症状に照らし、この項に規定する措置の実施によりその精神障害の特性に応じ円滑な社会復帰を促進するために必要な医療を受けることができなくなるおそれがないと認められるものに対し、指定入院医療機関以外の医療施設(以下「特定医療施設」という。)又は病院の一部について法第十六条第一項の指定を受けている指定入院医療機関の指定に係る病床以外の当該指定入院医療機関の病床(以下「特定病床」という。)で、入院による医療を行うことができる。
ただし、この項に規定する措置の実施により、当該特定医療施設における病床又は特定病床に余裕がなくなり、又は余裕がなくなると見込まれる場合には、この限りでない。
2 厚生労働大臣は、当分の間、すべての指定入院医療機関において病床(病院の一部について法第十六条第一項の指定を受けている指定入院医療機関にあっては、その指定に係る病床)に余裕がなくなると見込まれる場合には、入院対象者であって、当該入院対象者が入院している指定入院医療機関に勤務する精神保健指定医による診察の結果、当該者に対する医療の提供の経過及びその症状に照らし、早期に社会復帰することが可能な病状にあり、この項に規定する措置を実施した場合においてもその円滑な社会復帰を促進するために必要な医療を受けるに当たって支障が生じないと認められるものに対し、特定医療施設又は特定病床で、入院による医療を行うことができる。
3 特定医療施設は、次の各号に掲げる病院であって、前二項の医療を提供するために必要なものとして厚生労働大臣が定める基準を満たすものでなければならない。
二都道府県又は都道府県及び都道府県以外の地方公共団体が設立した地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)が設置する精神科病院
三精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)第十九条の八に規定する指定病院
四前項に規定する者の居住地に所在する指定通院医療機関の指定を受けた病院であって、当該者に対し入院による精神障害の医療を行うことのできるもの
4 厚生労働大臣は、第一項又は第二項の規定により医療を行おうとするときは、地理的条件、交通事情その他の条件を勘案して、特定医療施設又は特定病床を有する指定入院医療機関(以下「特定医療施設等」という。)を定めなければならない。
5 厚生労働大臣は、第一項の規定により医療を行おうとするときは委託指定入院医療機関の管理者に対し、第二項の規定により医療を行おうとするときは同項に規定する者が入院している指定入院医療機関の管理者に対し、それぞれ前項の規定により定めた特定医療施設の名称、所在地及び電話番号その他の連絡先を通知しなければならない。
6 厚生労働大臣は、第一項又は第二項の規定により、入院による医療を行うに当たって必要な場合には、第一項又は第二項に規定する者を、特定医療施設等に移送しなければならない。
7 委託指定入院医療機関又は第二項に規定する者が入院している指定入院医療機関(以下「委託指定入院医療機関等」という。)の管理者は、第一項又は第二項の規定による医療を担当するときは、第一項又は第二項に規定する者に対し、当該委託指定入院医療機関等の医師、看護師その他の職員による治療計画の策定、定期的な診察又は病状の評価に関する事項その他の厚生労働大臣が定める事項を実施するとともに、特定医療施設において当該治療計画に基づいた適切な医療が提供されるよう、特定医療施設との間で、第一項又は第二項に規定する者に対する医療の提供に関する契約を締結しなければならない。
8 委託指定入院医療機関等の管理者は、前項の契約を締結しようとするときは、第一項又は第二項に規定する者に対する医療の提供及び処遇に関する事項、委託指定入院医療機関等の策定した治療計画の実施に関する事項、第一項又は第二項に規定する者の病状が急変した場合の委託指定入院医療機関等が講ずべき措置に関する事項、特定医療施設における医療の提供に係る費用の算定及び支払に関する事項、契約解除その他当該契約に違反した場合の措置に関する事項その他厚生労働大臣が定める事項を記載した契約書を作成しなければならない。
9 第一項及び第二項の規定による医療の提供の期間は、当該医療の提供を開始した日から起算して三月(第一項の規定による特定病床での医療の提供にあっては、六月)を超えることができない。
ただし、厚生労働大臣は、第二項に規定する者について、居住地における円滑な社会復帰を促進するために必要と認める場合には、通じて三月を超えない範囲で、この期間を延長することができる。
10 厚生労働大臣は、いずれかの指定入院医療機関の病床に余裕が生じた場合には、速やかに、第一項に規定する者を当該指定入院医療機関に移送しなければならない。