第二十二条
(信託財産に損害を生じさせ、又は信託業の信用を失墜させることのない体制の整備に関する事項)
信託業務を営む金融機関(当該信託業務を営む金融機関から法第二条第一項において準用する信託業法第二十二条第三項各号に掲げる業務を除く信託業務の委託を受けた者を含む。)は、次に掲げるところにより、内部管理に関する業務を適正に遂行するための十分な体制を整備しなければならない。
一内部管理に関する業務を的確に遂行することができる人的構成を確保すること。
二内部管理に関する業務を遂行するための社内規則(当該業務に関する社内における責任体制を明確化する規定を含むものに限る。)を整備すること。
三内部管理に関する業務に従事する者を信託財産の管理又は処分を行う部門から独立させること。
2 前項の「内部管理に関する業務」とは、次に掲げる業務をいう。
一法令遵守の管理(業務の内容が法令(外国の法令を含む。)又は法令に基づく行政官庁の処分(外国の法令に基づく同様の処分を含む。)(以下この号において「法令等」という。)に適合するかどうかを判断すること及び当該法令等を役員及び使用人に遵守させることをいう。)に関する業務
3 信託業務を営む金融機関は、委託を行つた信託契約代理店の信託契約代理業(信託業法第二条第八項に規定する信託契約代理業をいう。以下同じ。)の適切な運営を確保するため、信託契約代理店に対する指導及び信託契約代理店の信託契約代理業務に係る法令の遵守状況の検証を行うための十分な体制を整備しなければならない。
4 信託業務を営む金融機関は、本店その他の営業所又は事務所を他の信託会社、外国信託会社又は金融機関の本店その他の営業所、事務所若しくは代理店(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第十五項に規定する銀行代理業者、長期信用銀行法第十六条の五第三項に規定する長期信用銀行代理業者、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十五条の二第三項に規定する信用金庫代理業者、協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の三第三項に規定する信用協同組合代理業者、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第八十九条の三第三項に規定する労働金庫代理業者、農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十二条の二第三項に規定する特定信用事業代理業者、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百六条第三項に規定する特定信用事業代理業者及び農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第九十五条の二第三項に規定する農林中央金庫代理業者並びに農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律(平成八年法律第百十八号)第四十二条第三項の認可に係る業務の代理を行う農業協同組合、漁業協同組合及び水産加工業協同組合の営業所又は事務所を含む。)と同一の建物に設置してその業務を営む場合には、顧客が当該信託業務を営む金融機関を当該他の信託会社、外国信託会社又は金融機関であると誤認することを防止するための適切な措置を講じなければならない。
5 信託業務を営む金融機関は、電気通信回線に接続している電子計算機を利用してその業務を営む場合には、顧客が当該信託業務を営む金融機関と他の者を誤認することを防止するための適切な措置を講じなければならない。
6 信託業務を営む金融機関は、その取り扱う個人である顧客に関する情報の安全管理、従業者の監督及び当該情報の取扱いを委託する場合にはその委託先の監督について、当該情報の漏えい、滅失又は毀損の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
7 信託業務を営む金融機関は、その取り扱う個人である顧客に関する情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第十六条第三項に規定する個人データに該当するものに限る。)の漏えい、滅失若しくは毀損が発生し、又は発生したおそれがある事態が生じたときは、当該事態が生じた旨を金融庁長官等に速やかに報告することその他の適切な措置を講じなければならない。
8 信託業務を営む金融機関は、信用情報に関する機関(資金需要者の借入金返済能力に関する情報の収集及び信託業務を営む金融機関に対する当該情報の提供を行うものをいう。)から提供を受けた情報であつて個人である資金需要者の借入金返済能力に関するものを、資金需要者の返済能力の調査以外の目的のために利用しないことを確保するための措置を講じなければならない。
9 信託業務を営む金融機関は、その取り扱う個人である顧客に関する人種、信条、門地、本籍地、保健医療又は犯罪経歴についての情報その他の特別の非公開情報(その業務上知り得た公表されていない情報をいう。)を、適切な業務の運営の確保その他必要と認められる目的以外の目的のために利用しないことを確保するための措置を講じなければならない。
10 信託業務を営む金融機関は、特定信託為替取引を行う場合には、次に掲げる措置を講じなければならない。
一業務の内容及び方法に応じ、当該業務に係る電子情報処理組織の管理を十分に行うための措置
二特定信託受益権の特性及び自己の業務体制に照らして、顧客の保護又は信託業務の適正かつ確実な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる特定信託受益権を発行しないために必要な措置
三その発行する特定信託受益権に係る信託財産の全部を資金決済に関する法律施行令(平成二十二年政令第十九号)第十六条第一項に定める要件を満たす金融機関に対する預貯金により管理するための適切な措置
11 信託業務を営む金融機関は、顧客(資金移動業関係業者を除く。以下この項から第十四項まで及び第十六項において同じ。)との間で特定信託為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結する場合には、当該顧客に対して次に掲げる事項を明示する方法により、当該特定信託為替取引に係る契約の内容についての情報を提供しなければならない。
三顧客が支払うべき手数料、報酬若しくは費用の金額若しくはその上限額又はこれらの計算方法
六契約期間の中途での解約時の取扱い(手数料、報酬又は費用の計算方法を含む。)
七その他当該契約の内容に関し参考となると認められる事項
12 信託業務を営む金融機関は、顧客との間で特定信託為替取引を行う場合には、当該顧客に対し、書面の交付その他の適切な方法により、次に掲げる事項についての情報を提供しなければならない。
一当該信託業務を営む金融機関その他の者の業務又は財産の状況の変化を直接の原因として損失が生ずるおそれがあるときは、その旨及びその理由
二前号及び第十五項第二号に掲げるもののほか、当該特定信託為替取引について顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事由を直接の原因として損失が生ずるおそれがあるときは、その旨及びその理由
三その他当該特定信託為替取引の内容に関し参考となると認められる事項
13 前二項の特定信託為替取引について当該特定信託為替取引に係る電子決済手段等取引業者が顧客に対しこれらの規定に準じて情報を提供したときは、信託業務を営む金融機関は、当該規定にかかわらず、当該顧客に対し、当該規定により情報を提供することを要しない。
14 信託業務を営む金融機関は、顧客との間で特定信託為替取引を行う場合には、あらかじめ、当該顧客に対し、書面の交付その他の適切な方法により、特定信託受益権の内容に関する説明を行わなければならない。
15 信託業務を営む金融機関は、前項に規定する説明を行う場合には、次に掲げる事項を説明するものとする。
一特定信託受益権は本邦通貨又は外国通貨ではないこと。
二特定信託受益権の価値の変動を直接の原因として損失が生ずるおそれがあるときは、その旨及びその理由
三特定信託受益権は代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済のために使用することができること。
四発行する特定信託受益権の概要及び特性(当該特定信託受益権の移転の確定する時期及びその根拠を含む。)
五当該信託業務を営む金融機関に対する償還請求権の内容及びその行使に係る手続
六その他特定信託受益権の内容に関し参考となると認められる事項
16 第十四項の特定信託為替取引について当該特定信託為替取引に係る電子決済手段等取引業者が顧客に対し前二項の規定に準じて第十四項に規定する説明を行つたときは、信託業務を営む金融機関は、同項の規定にかかわらず、当該顧客に対し、同項に規定する説明を行うことを要しない。
17 信託業務を営む金融機関は、電子決済手段の信託を行う場合には、次に掲げる措置を講じなければならない。
一電子決済手段の特性、取引の内容その他の事情に応じ、顧客の保護を図り、及び信託業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な体制を整備する措置
二電子決済手段の特性及び自己の業務体制に照らして、外国電子決済手段(外国において発行される法、信託業法、農業協同組合法、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)、協同組合による金融事業に関する法律、信用金庫法、長期信用銀行法、労働金庫法、銀行法、農林中央金庫法、株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)又は資金決済に関する法律に相当する外国の法令に基づく電子決済手段をいう。以下この号及び次号において同じ。)であつて次に掲げる要件のいずれかを満たさないものその他の顧客の保護又は信託業務の適正かつ確実な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる電子決済手段を取り扱わないために必要な措置
イ銀行法又は資金決済に関する法律に相当する外国の法令の規定により、銀行法第四条第一項の免許若しくは資金決済に関する法律第三十七条の登録と同等の免許若しくは登録(当該免許又は登録に類するその他の行政処分を含む。)を受け、又は同法第三十七条の二第三項の規定による届出と同等の届出をし、当該外国電子決済手段を発行することを業として行う者により発行されているものであること。
ロ当該外国電子決済手段を発行する者が当該外国電子決済手段を償還するために必要な資産を法、信託業法、銀行法又は資金決済に関する法律に相当する外国の法令の規定により管理しており、かつ、当該管理の状況について、当該外国電子決済手段の発行が行われた国において公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。第四十二条の十一第三項第二号イにおいて同じ。)の資格に相当する資格を有する者又は監査法人に相当する者による監査を受けていること。
ハ捜査機関等から当該外国電子決済手段に係る取引が詐欺等の犯罪行為に利用された旨の情報の提供があることその他の事情を勘案して犯罪行為が行われた疑いがあると認めるときは、当該外国電子決済手段を発行する者において、当該外国電子決済手段に係る取引の停止等を行う措置を講ずることとされていること。
三外国電子決済手段を取り扱う場合にあつては、次に掲げる措置その他の顧客の保護及び信託業務の適正かつ確実な遂行に必要な措置
イ外国電子決済手段について、当該外国電子決済手段を発行する者がその債務の履行等(資金決済に関する法律第二条第七項に規定する債務の履行等をいう。)を行うことが困難となつた場合その他当該外国電子決済手段の価値が著しく減少した場合に、当該外国電子決済手段を取り扱う電子決済手段等取引業者が、顧客(国内にある顧客と国外にある顧客とを区分することができる場合にあつては、国内にある顧客。イにおいて同じ。)である利用者のために管理をする当該外国電子決済手段について、当該債務の履行等が行われることとされている金額と同額で買取りを行うことを約する措置及び当該買取りを行うために必要な資産の保全その他これと同等の顧客の保護を確保することができると合理的に認められる措置
ロ顧客(電子決済手段等取引業者に関する内閣府令第一条第二項第一号に規定する電子決済手段等取引業者等を除く。)のために外国電子決済手段の管理をすること(当該顧客の外国電子決済手段を移転するために管理をすることを含む。)及び移転をすること(資金決済に関する法律第二条第十項に規定する電子決済手段の交換等に伴うものを含む。)ができる金額が、当該信託業務を営む金融機関が同条第三項に規定する資金移動業者の発行する電子決済手段(同法第三十六条の二第二項に規定する第二種資金移動業に係るものに限る。)を取り扱う場合と同等の水準となることを確保するために必要な措置
四業務の内容及び方法に応じ、当該業務に係る電子情報処理組織の管理を十分に行うための措置
五信託業務を営む金融機関が、その行う信託業務について、その取り扱う若しくは取り扱おうとする電子決済手段又は当該信託業務を営む金融機関に関する重要な情報であつて顧客の電子決済手段の売買又は他の電子決済手段との交換に係る判断に影響を及ぼすと認められるもの(当該信託業務を営む金融機関の行う電子決済手段の信託の全ての顧客が容易に知り得る状態に置かれている場合を除く。)を適切に管理するために必要な措置
18 信託業務を営む金融機関は、暗号資産等の信託を行う場合(第三号については、信託財産に属する電子記録移転有価証券表示権利等を管理する場合を含む。)には、次に掲げる措置を講じなければならない。
一暗号資産の特性、取引の内容その他の事情に応じ、顧客の保護を図り、及び信託業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な体制を整備する措置
二暗号等資産の特性及び自己の業務体制に照らして、顧客の保護又は信託業務の適正かつ確実な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる暗号等資産等(金融商品取引法第百八十五条の二十三第一項に規定する暗号等資産等をいう。第四号及び第三十一条の二十六第六号において同じ。)に係る有価証券の売買その他の取引等(有価証券若しくは暗号資産の売買その他の取引又はデリバティブ取引をいう。第四号及び同条第七号において同じ。)を取り扱わないために必要な措置
三業務の内容及び方法に応じ、当該業務に係る電子情報処理組織の管理を十分に行うための措置
四信託業務を営む金融機関が、その行う暗号資産等の信託の対象とし、若しくは対象としようとする有価証券の売買その他の取引等に係る暗号等資産等又は当該信託業務を営む金融機関に関する重要な情報であつて顧客の暗号等資産等に係る有価証券の売買その他の取引等に係る判断に影響を及ぼすと認められるもの(当該信託業務を営む金融機関の行う暗号資産等の信託の全ての顧客が容易に知り得る状態に置かれている場合を除く。)を適切に管理するために必要な措置
19 信託業務を営む金融機関は、前二項の規定によるほか、電子決済手段、暗号資産及び電子記録移転有価証券表示権利等を表示する財産的価値を移転するために必要な情報の漏えい、滅失、毀損その他の事由に起因して、法第二条第一項において準用する信託業法第二十八条第三項の規定により信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを分別して管理する信託財産に属する電子決済手段、暗号資産及び電子記録移転有価証券表示権利等で顧客に対して負担する電子決済手段、暗号資産及び電子記録移転有価証券表示権利等の管理に関する債務の全部を履行することができない場合における当該債務の履行に関する方針(当該債務を履行するために必要な対応及びそれを実施する時期を含む。)を定めて公表し、かつ、実施するための措置を講ずるものとする。
20 信託業務を営む金融機関は、金融商品取引業等に関する内閣府令第百三十条第一項第十五号に規定する場合において、同号の金融商品取引業者が対象有価証券(同条第三項に規定する対象有価証券をいう。以下この項において同じ。)の取得又は買付けの申込みをするために講じた同号イからハまでに規定する措置により、当該対象有価証券の価額若しくは同条第六項に規定する監査報告書等を入手した場合又は当該金融商品取引業者から、当該金融商品取引業者が同条第一項第十五号の権利者に金融商品取引法第四十二条の七第一項の規定により提供した当該対象有価証券に係る同令第百三十四条第三項第二号ロに掲げる事項の通知を受けた場合において、当該価額、当該監査報告書等及び当該事項を照合すること並びにその結果を当該権利者に対して通知することを確保するための十分な体制を整備しなければならない。
21 信託業務を営む金融機関は、平成二十五年厚生年金等改正法附則第五条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる改正前厚生年金保険法第百三十条の二第一項に規定する信託契約(以下この項及び次条第二項ただし書において「年金信託契約」という。)を締結し、当該年金信託契約に基づき、平成二十五年厚生年金等改正法附則第五条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる改正前厚生年金保険法第百三十条の二第二項に規定する年金給付等積立金の運用(以下この項及び次条第二項第八号において「積立金の運用」という。)を行う場合において、当該年金信託契約の相手方である存続厚生年金基金(平成二十五年厚生年金等改正法附則第三条第十一号に規定する存続厚生年金基金をいう。以下この項及び次条第二項において同じ。)から平成二十五年厚生年金等改正法附則第五条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる改正前厚生年金保険法第百三十六条の四第三項の規定により同項に規定する事項を示されたときに、当該存続厚生年金基金に対して、その示されたところに従つて当該積立金の運用を行うことによる利益の見込み及び損失の可能性について、当該存続厚生年金基金の知識、経験、財産の状況及び年金信託契約を締結する目的に照らして適切に説明を行うための十分な体制を整備しなければならない。