特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律
この法令の概要
第一条
この法律は、特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害等があった場合について、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利について定めるとともに、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続に関し必要な事項を定め、あわせて、侵害情報送信防止措置の実施手続の迅速化及び送信防止措置の実施状況の透明化を図るための大規模特定電気通信役務提供者の義務について定めるものとする。
第二条
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
第三条
特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されたときは、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下この項において「関係役務提供者」という。)は、これによって生じた損害については、権利を侵害した情報の不特定の者に対する送信を防止する措置を講ずることが技術的に可能な場合であって、次の各号のいずれかに該当するときでなければ、賠償の責めに任じない。
ただし、当該関係役務提供者が当該権利を侵害した情報の発信者である場合は、この限りでない。
特定電気通信役務提供者は、特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害については、当該措置が当該情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において行われたものである場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、賠償の責めに任じない。
第四条
前条第二項の場合のほか、特定電気通信役務提供者は、特定電気通信による情報(選挙運動の期間中に頒布された文書図画に係る情報に限る。以下この条において同じ。)の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害については、当該措置が当該情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において行われたものである場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、賠償の責めに任じない。
第五条
特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者に対し、当該特定電気通信役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報のうち、特定発信者情報(発信者情報であって専ら侵害関連通信に係るものとして総務省令で定めるものをいう。以下この項及び第十五条第二項において同じ。)以外の発信者情報については第一号及び第二号のいずれにも該当するとき、特定発信者情報については次の各号のいずれにも該当するときは、それぞれその開示を請求することができる。
特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、次の各号のいずれにも該当するときは、当該特定電気通信に係る侵害関連通信の用に供される電気通信設備を用いて電気通信役務を提供した者(当該特定電気通信に係る前項に規定する特定電気通信役務提供者である者を除く。以下この項において「関連電気通信役務提供者」という。)に対し、当該関連電気通信役務提供者が保有する当該侵害関連通信に係る発信者情報の開示を請求することができる。
前二項に規定する「侵害関連通信」とは、侵害情報の発信者が当該侵害情報の送信に係る特定電気通信役務を利用し、又はその利用を終了するために行った当該特定電気通信役務に係る識別符号(特定電気通信役務提供者が特定電気通信役務の提供に際して当該特定電気通信役務の提供を受けることができる者を他の者と区別して識別するために用いる文字、番号、記号その他の符号をいう。)その他の符号の電気通信による送信であって、当該侵害情報の発信者を特定するために必要な範囲内であるものとして総務省令で定めるものをいう。
第六条
開示関係役務提供者は、前条第一項又は第二項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、当該開示の請求に応じるかどうかについて当該発信者の意見(当該開示の請求に応じるべきでない旨の意見である場合には、その理由を含む。)を聴かなければならない。
開示関係役務提供者は、発信者情報開示命令を受けたときは、前項の規定による意見の聴取(当該発信者情報開示命令に係るものに限る。)において前条第一項又は第二項の規定による開示の請求に応じるべきでない旨の意見を述べた当該発信者情報開示命令に係る侵害情報の発信者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない。
ただし、当該発信者に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。
開示関係役務提供者は、第十五条第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定による命令を受けた他の開示関係役務提供者から当該命令による発信者情報の提供を受けたときは、当該発信者情報を、その保有する発信者情報(当該提供に係る侵害情報に係るものに限る。)を特定する目的以外に使用してはならない。
開示関係役務提供者は、前条第一項又は第二項の規定による開示の請求に応じないことにより当該開示の請求をした者に生じた損害については、故意又は重大な過失がある場合でなければ、賠償の責めに任じない。
ただし、当該開示関係役務提供者が当該開示の請求に係る侵害情報の発信者である場合は、この限りでない。
第七条
第五条第一項又は第二項の規定により発信者情報の開示を受けた者は、当該発信者情報をみだりに用いて、不当に当該発信者情報に係る発信者の名誉又は生活の平穏を害する行為をしてはならない。
第八条
裁判所は、特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者の申立てにより、決定で、当該権利の侵害に係る開示関係役務提供者に対し、第五条第一項又は第二項の規定による請求に基づく発信者情報の開示を命ずることができる。
第九条
裁判所は、発信者情報開示命令の申立てについて、次の各号のいずれかに該当するときは、管轄権を有する。
前項の規定にかかわらず、当事者は、合意により、いずれの国の裁判所に発信者情報開示命令の申立てをすることができるかについて定めることができる。
前項の合意は、書面でしなければ、その効力を生じない。
第二項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
外国の裁判所にのみ発信者情報開示命令の申立てをすることができる旨の第二項の合意は、その裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、これを援用することができない。
裁判所は、発信者情報開示命令の申立てについて前各項の規定により日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合(日本の裁判所にのみ申立てをすることができる旨の第二項の合意に基づき申立てがされた場合を除く。)においても、事案の性質、手続の追行による相手方の負担の程度、証拠の所在地その他の事情を考慮して、日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情があると認めるときは、当該申立ての全部又は一部を却下することができる。
日本の裁判所の管轄権は、発信者情報開示命令の申立てがあった時を標準として定める。
第十条
発信者情報開示命令の申立ては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
前条の規定により日本の裁判所が管轄権を有することとなる発信者情報開示命令の申立てについて、前項の規定又は他の法令の規定により管轄裁判所が定まらないときは、当該申立ては、最高裁判所規則で定める地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
発信者情報開示命令の申立てについて、前二項の規定により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有することとなる場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、当該申立てをすることができる。
前三項の規定にかかわらず、発信者情報開示命令の申立ては、当事者が合意で定める地方裁判所の管轄に属する。
この場合においては、前条第三項及び第四項の規定を準用する。
前各項の規定にかかわらず、特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作者の権利を侵害されたとする者による当該権利の侵害についての発信者情報開示命令の申立てについて、当該各項の規定により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有することとなる場合には、当該申立ては、それぞれ当該各号に定める裁判所の管轄に専属する。
前項第二号に定める裁判所がした発信者情報開示命令事件(同項に規定する権利の侵害に係るものに限る。)についての決定に対する即時抗告は、東京高等裁判所の管轄に専属する。
前各項の規定にかかわらず、第十五条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定による命令により同号イに規定する他の開示関係役務提供者の氏名等情報の提供を受けた者の申立てに係る第一号に掲げる事件は、当該提供を受けた者の申立てに係る第二号に掲げる事件が係属するときは、当該事件が係属する裁判所の管轄に専属する。
第十一条
裁判所は、発信者情報開示命令の申立てがあった場合には、当該申立てが不適法であるとき又は当該申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当該発信者情報開示命令の申立書の写しを相手方に送付しなければならない。
非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第四十三条第四項から第六項までの規定は、発信者情報開示命令の申立書の写しを送付することができない場合(当該申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。
裁判所は、発信者情報開示命令の申立てについての決定をする場合には、当事者の陳述を聴かなければならない。
ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして当該申立てを却下する決定をするときは、この限りでない。
第十二条
当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、発信者情報開示命令事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は発信者情報開示命令事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
前項の規定は、発信者情報開示命令事件の記録中の録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)については、適用しない。
この場合において、当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、これらの物の複製を請求することができる。
前二項の規定による発信者情報開示命令事件の記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、当該記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。
第十三条
発信者情報開示命令の申立ては、当該申立てについての決定が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
ただし、当該申立ての取下げは、次に掲げる決定がされた後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。
発信者情報開示命令の申立ての取下げがあった場合において、前項ただし書の規定により当該申立ての取下げについて相手方の同意を要するときは、裁判所は、相手方に対し、当該申立ての取下げがあったことを通知しなければならない。
ただし、当該申立ての取下げが発信者情報開示命令事件の手続の期日において口頭でされた場合において、相手方がその期日に出頭したときは、この限りでない。
前項本文の規定による通知を受けた日から二週間以内に相手方が異議を述べないときは、当該通知に係る申立ての取下げに同意したものとみなす。
同項ただし書の規定による場合において、当該申立ての取下げがあった日から二週間以内に相手方が異議を述べないときも、同様とする。
第十四条
発信者情報開示命令の申立てについての決定(当該申立てを不適法として却下する決定を除く。)に不服がある当事者は、当該決定の告知を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
前項に規定する訴えは、同項に規定する決定をした裁判所の管轄に専属する。
第一項に規定する訴えについての判決においては、当該訴えを不適法として却下するときを除き、同項に規定する決定を認可し、変更し、又は取り消す。
第一項に規定する決定を認可し、又は変更した判決で発信者情報の開示を命ずるものは、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。
第一項に規定する訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該訴えに係る同項に規定する決定は、確定判決と同一の効力を有する。
裁判所が第一項に規定する決定をした場合における非訟事件手続法第五十九条第一項の規定の適用については、同項第二号中「即時抗告をする」とあるのは、「異議の訴えを提起する」とする。
第十五条
本案の発信者情報開示命令事件が係属する裁判所は、発信者情報開示命令の申立てに係る侵害情報の発信者を特定することができなくなることを防止するため必要があると認めるときは、当該発信者情報開示命令の申立てをした者(以下この項において「申立人」という。)の申立てにより、決定で、当該発信者情報開示命令の申立ての相手方である開示関係役務提供者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。
前項(各号列記以外の部分に限る。)に規定する発信者情報開示命令の申立ての相手方が第五条第一項に規定する特定電気通信役務提供者であって、かつ、当該申立てをした者が当該申立てにおいて特定発信者情報を含む発信者情報の開示を請求している場合における前項の規定の適用については、同項第一号イの規定中「に係るもの」とあるのは、次の表の上欄に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
次の各号のいずれかに該当するときは、提供命令(提供命令により二以上の他の開示関係役務提供者の氏名等情報の提供を受けた者が、当該他の開示関係役務提供者のうちの一部の者について第一項第二号に規定する通知をしないことにより第二号に該当することとなるときは、当該一部の者に係る部分に限る。)は、その効力を失う。
提供命令の申立ては、当該提供命令があった後であっても、その全部又は一部を取り下げることができる。
提供命令を受けた開示関係役務提供者は、当該提供命令に対し、即時抗告をすることができる。
第十六条
本案の発信者情報開示命令事件が係属する裁判所は、発信者情報開示命令の申立てに係る侵害情報の発信者を特定することができなくなることを防止するため必要があると認めるときは、当該発信者情報開示命令の申立てをした者の申立てにより、決定で、当該発信者情報開示命令の申立ての相手方である開示関係役務提供者に対し、当該発信者情報開示命令事件(当該発信者情報開示命令事件についての第十四条第一項に規定する決定に対して同項に規定する訴えが提起されたときは、その訴訟)が終了するまでの間、当該開示関係役務提供者が保有する発信者情報(当該発信者情報開示命令の申立てに係るものに限る。)を消去してはならない旨を命ずることができる。
前項の規定による命令(以下この条において「消去禁止命令」という。)の申立ては、当該消去禁止命令があった後であっても、その全部又は一部を取り下げることができる。
消去禁止命令を受けた開示関係役務提供者は、当該消去禁止命令に対し、即時抗告をすることができる。
第十七条
発信者情報開示命令事件に関する裁判手続における申立てその他の申述については、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第一編第八章(第百三十三条の二第五項及び第六項並びに第百三十三条の三第二項を除く。)の規定を準用する。
この場合において、同法第百三十三条第一項中「当事者」とあるのは「当事者又は利害関係参加人(非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第二十一条第五項に規定する利害関係参加人をいう。第百三十三条の四第一項、第二項及び第七項において同じ。)」と、同条第三項中「訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録」とあるのは「発信者情報開示命令事件(特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律第二条第十三号に規定する発信者情報開示命令事件」と、「)中」とあるのは「)の記録中」と、「について訴訟記録等の閲覧等(訴訟記録の閲覧等、非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等又は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは「の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付」と、同法第百三十三条の二第一項中「に係る訴訟記録等の閲覧等」とあるのは「の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付」と、同条第二項中「訴訟記録等中」とあるのは「発信者情報開示命令事件の記録中」と、同項及び同条第三項中「に係る訴訟記録等の閲覧等」とあるのは「の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製」と、同法第百三十三条の三第一項中「記載され、又は記録された書面又は電磁的記録」とあるのは「記載された書面」と、「当該書面又は電磁的記録」とあるのは「当該書面」と、「又は電磁的記録その他これに類する書面又は電磁的記録に係る訴訟記録等の閲覧等」とあるのは「その他これに類する書面の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付」と、同法第百三十三条の四第一項中「者は、訴訟記録等」とあるのは「当事者若しくは利害関係参加人又は利害関係を疎明した第三者は、発信者情報開示命令事件の記録」と、同条第二項中「当事者」とあるのは「当事者又は利害関係参加人」と、「訴訟記録等の存する」とあるのは「発信者情報開示命令事件の記録の存する」と、「訴訟記録等の閲覧等」とあるのは「閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製」と、同条第七項中「当事者」とあるのは「当事者若しくは利害関係参加人」と読み替えるものとする。
第十八条
発信者情報開示命令事件に関する裁判手続については、非訟事件手続法第二十二条第一項ただし書、第二十七条、第四十条及び第四十二条の二の規定は、適用しない。
第十九条
この法律に定めるもののほか、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第二十条
総務大臣は、次の各号のいずれにも該当する特定電気通信役務であって、その利用に係る特定電気通信による情報の流通について侵害情報送信防止措置の実施手続の迅速化及び送信防止措置の実施状況の透明化を図る必要性が特に高いと認められるもの(以下「大規模特定電気通信役務」という。)を提供する特定電気通信役務提供者を、大規模特定電気通信役務提供者として指定することができる。
総務大臣は、大規模特定電気通信役務提供者について前項の規定による指定の理由がなくなったと認めるときは、遅滞なく、その指定を解除しなければならない。
総務大臣は、第一項の規定による指定及び前項の規定による指定の解除に必要な限度において、総務省令で定めるところにより、特定電気通信役務提供者に対し、その提供する特定電気通信役務の平均月間発信者数及び平均月間延べ発信者数を報告させることができる。
総務大臣は、前項の規定による報告の徴収によっては特定電気通信役務提供者の提供する特定電気通信役務の平均月間発信者数又は平均月間延べ発信者数を把握することが困難であると認めるときは、当該平均月間発信者数又は平均月間延べ発信者数を総務省令で定める合理的な方法により推計して、第一項の規定による指定及び第二項の規定による指定の解除を行うことができる。
第二十一条
大規模特定電気通信役務提供者は、前条第一項の規定による指定を受けた日から三月以内に、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を総務大臣に届け出なければならない。
大規模特定電気通信役務提供者は、前項各号に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
第二十二条
大規模特定電気通信役務提供者(前条第一項の規定による届出をした者に限る。以下同じ。)は、総務省令で定めるところにより、その提供する大規模特定電気通信役務を利用して行われる特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者(次条において「被侵害者」という。)が侵害情報等を示して当該大規模特定電気通信役務提供者に対し侵害情報送信防止措置を講ずるよう申出を行うための方法を定め、これを公表しなければならない。
前項の方法は、次の各号のいずれにも適合するものでなければならない。
第二十三条
大規模特定電気通信役務提供者は、被侵害者から前条第一項の方法に従って侵害情報送信防止措置を講ずるよう申出があったときは、当該申出に係る侵害情報の流通によって当該被侵害者の権利が不当に侵害されているかどうかについて、遅滞なく必要な調査を行わなければならない。
第二十四条
大規模特定電気通信役務提供者は、前条の調査のうち専門的な知識経験を必要とするものを適正に行わせるため、特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害への対処に関して十分な知識経験を有する者のうちから、侵害情報調査専門員(以下この条及び次条第二項第二号において「専門員」という。)を選任しなければならない。
大規模特定電気通信役務提供者の専門員の数は、当該大規模特定電気通信役務提供者の提供する大規模特定電気通信役務の平均月間発信者数又は平均月間延べ発信者数及び種別に応じて総務省令で定める数(当該大規模特定電気通信役務提供者が複数の大規模特定電気通信役務を提供している場合にあっては、それぞれの大規模特定電気通信役務の平均月間発信者数又は平均月間延べ発信者数及び種別に応じて総務省令で定める数を合算した数)以上でなければならない。
大規模特定電気通信役務提供者は、専門員を選任したときは、総務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨及び総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。
これらを変更したときも、同様とする。
第二十五条
大規模特定電気通信役務提供者は、第二十三条の申出があったときは、同条の調査の結果に基づき侵害情報送信防止措置を講ずるかどうかを判断し、当該申出を受けた日から十四日以内の総務省令で定める期間内に、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項を申出者に通知しなければならない。
ただし、申出者から過去に同一の内容の申出が行われていたときその他の通知しないことについて正当な理由があるときは、この限りでない。
前項本文の規定にかかわらず、大規模特定電気通信役務提供者は、次の各号のいずれかに該当するときは、第二十三条の調査の結果に基づき侵害情報送信防止措置を講ずるかどうかを判断した後、遅滞なく、同項各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項を申出者に通知すれば足りる。
この場合においては、同項の総務省令で定める期間内に、次の各号のいずれに該当するか(第三号に該当する場合にあっては、その旨及びやむを得ない理由の内容)を申出者に通知しなければならない。
第二十六条
大規模特定電気通信役務提供者は、その提供する大規模特定電気通信役務を利用して行われる特定電気通信による情報の流通については、次の各号のいずれかに該当する場合のほか、自ら定め、公表している基準に従う場合に限り、送信防止措置を講ずることができる。
この場合において、当該基準は、当該送信防止措置を講ずる日の総務省令で定める一定の期間前までに公表されていなければならない。
大規模特定電気通信役務提供者は、前項の基準を定めるに当たっては、当該基準の内容が次の各号のいずれにも適合したものとなるよう努めなければならない。
大規模特定電気通信役務提供者は、第一項第三号に該当することを理由に送信防止措置を講じたときは、速やかに、当該送信防止措置を講じた情報の種類が送信防止措置の対象となることが明らかになるよう同項の基準を変更しなければならない。
第一項の基準を公表している大規模特定電気通信役務提供者は、おおむね一年に一回、当該基準に従って送信防止措置を講じた情報の事例のうち発信者その他の関係者に参考となるべきものを情報の種類ごとに整理した資料を作成し、公表するよう努めなければならない。
第二十七条
大規模特定電気通信役務提供者は、その提供する大規模特定電気通信役務を利用して行われる特定電気通信による情報の流通について送信防止措置を講じたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、遅滞なく、その旨及びその理由を当該送信防止措置により送信を防止された情報の発信者に通知し、又は当該情報の発信者が容易に知り得る状態に置く措置(第二号及び次条第三号において「通知等の措置」という。)を講じなければならない。
この場合において、当該送信防止措置が前条第一項の基準に従って講じられたものであるときは、当該理由において、当該送信防止措置と当該基準との関係を明らかにしなければならない。
第二十八条
大規模特定電気通信役務提供者は、毎年一回、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を公表しなければならない。
第二十九条
総務大臣は、第二十二条、第二十四条、第二十五条、第二十六条第一項若しくは第三項、第二十七条又は前条の規定の施行に必要な限度において、大規模特定電気通信役務提供者に対し、その業務に関し報告をさせることができる。
第三十条
総務大臣は、大規模特定電気通信役務提供者が第二十二条、第二十四条、第二十五条、第二十六条第一項若しくは第三項、第二十七条又は第二十八条の規定に違反していると認めるときは、当該大規模特定電気通信役務提供者に対し、その違反を是正するために必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
総務大臣は、前項の規定による勧告を受けた大規模特定電気通信役務提供者が、正当な理由がなく当該勧告に係る措置を講じなかったときは、当該大規模特定電気通信役務提供者に対し、当該勧告に係る措置を講ずべきことを命ずることができる。
第三十一条
第二十条第一項の規定による指定、第二十九条の規定による報告の徴収、前条第一項の規定による勧告又は同条第二項の規定による命令は、総務省令で定める書類を送達して行う。
第二十条第一項の規定による指定又は前条第二項の規定による命令に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三十条の規定による通知は、同条の書類を送達して行う。
この場合において、同法第三十一条において読み替えて準用する同法第十五条第三項の規定は適用しない。
第三十二条
前条の規定による送達については、民事訴訟法第百条第一項、第百一条、第百二条の二、第百三条、第百五条、第百六条及び第百八条の規定を準用する。
この場合において、同項中「裁判所」とあり、及び同条中「裁判長」とあるのは「総務大臣」と、同法第百一条第一項中「執行官」とあるのは「総務大臣の職員」と読み替えるものとする。
第三十三条
総務大臣は、次に掲げる場合には、公示送達をすることができる。
公示送達は、送達をすべき書類を送達を受けるべき者にいつでも交付すべき旨を総務省令で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置くとともに、その旨が記載された書面を総務省の掲示場に掲示し、又はその旨を総務省の事務所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置をとることにより行う。
公示送達は、前項の規定による措置を開始した日から二週間を経過することによって、その効力を生ずる。
外国においてすべき送達についてした公示送達にあっては、前項の期間は、六週間とする。
第三十四条
総務大臣の職員が、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条第九号に規定する処分通知等であって第三十一条の規定により書類を送達して行うこととしているものに関する事務を、同法第七条第一項の規定により同法第六条第一項に規定する電子情報処理組織を使用して行ったときは、第三十二条において読み替えて準用する民事訴訟法第百条第一項の規定による送達に関する事項を記載した書面の作成及び提出に代えて、当該事項を当該電子情報処理組織を使用して総務大臣の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に備えられたファイルに記録しなければならない。
第三十五条
第三十条第二項の規定による命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
第三十六条
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
第三十七条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
第三十八条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。
第一条
この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。
第二条
この法律による改正後の公職選挙法(以下「新法」という。)の規定(新法第百四十二条の四第二項、第四項及び第五項(第二項及び第五項にあっては、通知に係る部分に限る。)、第百五十二条、第二百二十九条並びに第二百七十一条の六の規定を除く。)及び附則第六条の規定による改正後の特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後初めてその期日を公示される衆議院議員の総選挙の期日の公示の日又は施行日以後初めてその期日を公示される参議院議員の通常選挙の期日の公示の日のうちいずれか早い日(以下「公示日」という。)以後にその期日を公示され又は告示される選挙について適用し、公示日の前日までにその期日を公示され又は告示された選挙については、なお従前の例による。
第一条
この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第二条
この法律の施行の日前にしたこの法律による改正前の特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第四条第二項の規定による意見の聴取は、この法律による改正後の特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(次条において「新法」という。)第六条第一項の規定によりされた意見の聴取とみなす。
第三条
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第一条
この法律は、公布の日から起算して四年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第百二十五条
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第一条
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第二条
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
第三条
この法律の施行の日からデジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律(令和五年法律第六十三号)附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日(以下この条において「デジタル社会形成基本法施行日」という。)の前日までの間におけるこの法律による改正後の特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(次条において「新法」という。)第三十三条の規定の適用については、同条第二項中「旨を総務省令で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置くとともに、その旨が記載された書面を」とあるのは「旨を」と、「掲示し、又はその旨を総務省の事務所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置をとる」とあるのは「掲示する」と、同条第三項中「措置を開始した」とあるのは「掲示を始めた」とする。
デジタル社会形成基本法施行日以後におけるデジタル社会形成基本法施行日前にした公示送達に対する同条の規定の適用についても、同様とする。
第四条
この法律の施行の日が刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)の施行の日(以下この条において「刑法施行日」という。)前である場合には、この法律の施行の日から刑法施行日の前日までの間における新法第三十五条の規定の適用については、同条中「拘禁刑」とあるのは、「懲役」とする。
刑法施行日以後における刑法施行日前にした行為に対する同条の規定の適用についても、同様とする。
第一条
この法律は、令和九年三月一日から施行する。
ただし、附則第四条、第六条及び第八条の規定は、公布の日から施行する。
第四条
総務大臣は、施行日前においても、新法第二十七条の二の規定の例により、大規模特定電気通信役務提供者が講ずべき措置に関してその適切かつ有効な実施に資するために必要な指針を定め、これを公表することができる。
前項の規定により定められ、公表された指針は、施行日において、新法第二十七条の二の規定により定められ、公表された指針とみなす。
第六条
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
第八条
在外選挙人名簿に登録されている選挙人の衆議院議員又は参議院議員の選挙におけるインターネットを利用する方法による投票の導入については、公職選挙法第四十九条の二第一項第二号の規定による投票の状況を踏まえつつ、選挙の公正を確保する観点から、投票をしようとする選挙人が本人であるかどうかの確認を確実に行うための手段に係る事項、選挙人が投票に用いる電子計算機の映像面において公職の候補者に関し表示すべき事項及びその表示の方法その他の必要な事項について、この法律の公布後一年を目途として検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講じられるものとする。
選挙運動のためにする街頭演説その他公職の候補者等(公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)をいう。)が実施する演説を妨げる行為に対応するための施策の在り方については、政治活動の自由に配慮しつつ、当該演説が選挙人の意思決定等のための重要な機会であることに鑑み、その機会を保障する観点から、引き続き検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講じられるものとする。