港湾環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針、環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令
この法令の概要
第一条
環境影響評価法(以下「法」という。)第四十八条第二項において準用する法第十一条第四項の規定による港湾環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針については、次条から第十条までに定めるところによる。
第二条
対象港湾計画について港湾環境影響評価その他の手続を行う港湾管理者(以下「特定港湾管理者」という。)は、対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響評価を行うに当たっては、港湾計画に定められる事項の精度を考慮し、これに応じた項目並びに調査、予測及び評価の手法を選定するものとする。
第三条
特定港湾管理者は、対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法を選定するに当たっては、当該選定を行うに必要と認める範囲内で、当該選定に影響を及ぼす対象港湾計画に定められる港湾開発等の内容(以下「港湾計画特性」という。)並びに対象港湾計画に定められる港湾開発等が実施されるべき区域(以下「港湾計画開発等区域」という。)及びその周囲の自然的社会的状況(以下「地域特性」という。)に関し、次に掲げる情報を把握しなければならない。
特定港湾管理者は、前項第二号に掲げる情報の把握に当たっては、次に掲げる事項に留意するものとする。
第四条
特定港湾管理者は、対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響評価の項目を選定するに当たっては、別表第一に掲げる一般的な港湾計画に定められる港湾開発等の内容(同表備考第二号イからホまでに掲げる特性を有する港湾開発等の当該特性をいう。以下同じ。)によって行われる対象港湾計画に定められる港湾開発等に伴う港湾環境影響を及ぼすおそれがある要因(以下「影響要因」という。)について同表においてその影響を受けるおそれがあるとされる環境の構成要素(以下「環境要素」という。)に係る項目(以下「参考項目」という。)を勘案して選定しなければならない。
ただし、次の各号のいずれかに該当すると認められる場合は、この限りでない。
特定港湾管理者は、前項本文の規定による選定に当たっては、一般的な港湾計画に定められる港湾開発等の内容と港湾計画特性との相違を把握するものとする。
特定港湾管理者は、第一項本文の規定による選定に当たっては、対象港湾計画に定められる港湾開発等に伴う影響要因が当該影響要因により影響を受けるおそれがある環境要素に及ぼす影響の重大性について客観的かつ科学的に検討しなければならない。
この場合において、特定港湾管理者は、港湾計画特性に応じて、次に掲げる影響要因を、物質の排出、埋立地の存在、主要な港湾施設の設置その他の港湾環境影響の態様を踏まえて適切に区分し、当該区分された影響要因ごとに検討するものとする。
前項の規定による検討は、次に掲げる環境要素を、法令等による規制又は目標の有無及び環境に及ぼすおそれがある影響の重大性を考慮して適切に区分し、当該区分された環境要素ごとに行うものとする。
特定港湾管理者は、第一項本文の規定による選定に当たっては、前条の規定により把握した港湾計画特性及び地域特性に関する情報を踏まえ、必要に応じ専門家等の助言を受けて選定するものとする。
特定港湾管理者は、前項の規定により専門家等の助言を受けた場合には、当該助言の内容及び当該専門家等の専門分野を明らかにできるよう整理しなければならない。
また、当該専門家等の所属機関の種別についても、明らかにするよう努めるものとする。
特定港湾管理者は、港湾環境影響評価の手法を選定し、又は港湾環境影響評価を行う過程において項目の選定に係る新たな事情が生じた場合にあっては、必要に応じ第一項本文の規定により選定した項目(以下「選定項目」という。)の見直しを行わなければならない。
特定港湾管理者は、第一項本文の規定による選定を行ったときは、選定の結果を一覧できるよう整理するとともに、選定項目として選定した理由を明らかにできるよう整理しなければならない。
第五条
対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響評価の調査、予測及び評価の手法は、特定港湾管理者が、次に掲げる事項を踏まえ、選定項目ごとに次条から第十条までに定めるところにより選定するものとする。
第六条
特定港湾管理者は、対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響評価の調査及び予測の手法(参考項目に係るものに限る。)を選定するに当たっては、各参考項目ごとに別表第二に掲げる参考となる調査及び予測の手法(以下この条及び別表第二において「参考手法」という。)を勘案しつつ、最新の科学的知見を反映するよう努めるとともに、最適な手法を選定しなければならない。
特定港湾管理者は、前項の規定による選定に当たっては、一般的な港湾計画に定められる港湾開発等の内容と港湾計画特性との相違を把握するものとする。
特定港湾管理者は、次の各号のいずれかに該当すると認められる場合は、必要に応じ参考手法より簡略化された調査又は予測の手法を選定することができる。
特定港湾管理者は、次の各号のいずれかに該当すると認められる場合は、必要に応じ参考手法より詳細な調査又は予測の手法を選定するものとする。
第七条
特定港湾管理者は、対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響評価の調査の手法を選定するに当たっては、前条に定めるところによるほか、次の各号に掲げる調査の手法に関する事項について、それぞれ当該各号に定めるものを、選定項目について適切に予測及び評価を行うために必要な範囲内で、当該選定項目の特性、港湾計画特性及び地域特性を勘案し、並びに地域特性が時間の経過に伴って変化するものであることを踏まえ、当該選定項目に係る予測及び評価において必要とされる水準が確保されるよう選定しなければならない。
前項第二号に規定する調査の基本的な手法のうち、情報の収集、整理又は解析について法令等により定められた手法がある環境要素に係る選定項目に係るものについては、当該法令等により定められた手法を踏まえ、適切な調査の手法を選定するものとする。
第一項第五号に規定する調査に係る期間のうち、季節による変動を把握する必要がある調査の対象に係るものについては、これを適切に把握できるよう調査に係る期間を選定するものとし、年間を通じた調査に係るものについては、必要に応じ調査すべき情報に大きな変化がないことが想定される時期に調査を開始するように調査に係る期間を選定するものとする。
特定港湾管理者は、第一項の規定により調査の手法を選定するに当たっては、調査の実施に伴う環境への影響を回避し、又は低減するため、できる限り環境への影響が小さい手法を選定するよう留意しなければならない。
特定港湾管理者は、第一項の規定により調査の手法を選定するに当たっては、調査により得られる情報が記載されていた文献名、当該情報を得るために行われた調査の前提条件、調査地域の設定の根拠、調査の日時その他の当該情報の出自及びその妥当性を明らかにできるようにしなければならない。
この場合において、希少な動植物の生息又は生育に関する情報については、必要に応じ、公開に当たって種及び場所を特定できないようにすることその他の希少な動植物の保護のために必要な配慮を行うものとする。
特定港湾管理者は、第一項の規定により調査の手法を選定するに当たっては、長期間の観測結果が存在しており、かつ、現地調査を行う場合にあっては、当該観測結果と現地調査により得られた結果とを比較できるようにしなければならない。
第八条
特定港湾管理者は、対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響評価の予測の手法を選定するに当たっては、第六条に定めるところによるほか、次の各号に掲げる予測の手法に関する事項について、それぞれ当該各号に定めるものを、当該選定項目の特性、港湾計画特性及び地域特性を勘案し、当該選定項目に係る評価において必要とされる水準が確保されるよう選定しなければならない。
前項第一号に規定する予測の基本的な手法については、定量的な把握が困難な場合にあっては、定性的に把握する手法を選定するものとする。
特定港湾管理者は、第一項の規定により予測の手法を選定するに当たっては、予測の基本的な手法の特徴及びその適用範囲、予測地域の設定の根拠、予測の前提となる条件、予測で用いた原単位及び係数その他の予測に関する事項について、選定項目の特性、港湾計画特性及び地域特性に照らし、それぞれその内容及び妥当性を予測の結果との関係と併せて明らかにできるようにしなければならない。
特定港湾管理者は、第一項の規定により予測の手法を選定するに当たっては、対象港湾計画に定められる港湾開発等以外の事業活動その他の地域の環境を変化させる要因によりもたらされる当該地域の将来の環境の状況(将来の環境の状況の推定が困難な場合及び現在の環境の状況を勘案することがより適切な場合にあっては、現在の環境の状況)を明らかにできるよう整理し、これを勘案して予測が行われるようにしなければならない。
この場合において、将来の環境の状況は、関係する地方公共団体が有する情報を収集して推定するとともに、将来の環境の状況の推定に当たって、国又は関係する地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策の効果を見込むときは、当該施策の内容を明らかにできるよう整理するものとする。
特定港湾管理者は、第一項の規定により予測の手法を選定するに当たっては、新規の手法を用いる場合その他の港湾環境影響の予測に関する知見が十分に蓄積されていない場合において、予測の不確実性の程度及び不確実性に係る港湾環境影響の程度を勘案して必要と認めるときは、当該不確実性の内容を明らかにできるようにしなければならない。
この場合において、予測の不確実性の程度については、必要に応じ予測の前提条件を変化させて得られるそれぞれの予測の結果のばらつきの程度により把握するものとする。
第九条
特定港湾管理者は、対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響評価の評価の手法を選定するに当たっては、次に掲げる事項に留意しなければならない。
第十条
特定港湾管理者は、対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響評価の調査、予測及び評価の手法(以下この条において「手法」という。)を選定するに当たっては、第三条の規定により把握した港湾計画特性及び地域特性に関する情報を踏まえ、必要に応じ専門家等の助言を受けて選定するものとする。
特定港湾管理者は、前項の規定により専門家等の助言を受けた場合には、当該助言の内容及び当該専門家等の専門分野を明らかにできるよう整理しなければならない。
また、当該専門家等の所属機関の種別についても、明らかにするよう努めるものとする。
特定港湾管理者は、港湾環境影響評価を行う過程において手法の選定に係る新たな事情が生じたときは、必要に応じ手法の見直しを行わなければならない。
特定港湾管理者は、手法の選定を行ったときは、選定された手法及び選定の理由を明らかにできるよう整理しなければならない。
第十一条
法第四十八条第二項において準用する法第十二条第二項に規定する環境の保全のための措置に関する指針については、次条から第十五条までに定めるところによる。
第十二条
特定港湾管理者は、港湾環境影響がないと判断される場合及び港湾環境影響の程度が極めて小さいと判断される場合以外の場合にあっては、特定港湾管理者により実行可能な範囲内で選定項目に係る港湾環境影響をできる限り回避し、又は低減すること、必要に応じ損なわれる環境の有する価値を代償すること及び当該港湾環境影響に係る環境要素に関して国又は関係する地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策によって示されている基準又は目標の達成に努めることを目的として環境の保全のための措置(以下「環境保全措置」という。)を検討しなければならない。
特定港湾管理者は、前項の規定による検討に当たっては、港湾環境影響を回避し、又は低減させる措置を検討し、その結果を踏まえ、必要に応じ、損なわれる環境の有する価値を代償するための措置(以下「代償措置」という。)を検討しなければならない。
第十三条
特定港湾管理者は、前条第一項の規定による検討を行ったときは、環境保全措置についての複数の案の比較検討、実行可能なより良い技術が取り入れられているかどうかの検討その他の適切な検討を通じて、特定港湾管理者により実行可能な範囲内で対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響ができる限り回避され、又は低減されているかどうかを検証しなければならない。
第十四条
特定港湾管理者は、第十二条第一項の規定による検討を行ったときは、次に掲げる事項を明らかにできるよう整理しなければならない。
特定港湾管理者は、第十二条第一項の規定による検討を段階的に行ったときは、それぞれの検討の段階における環境保全措置について、具体的な内容を明らかにできるよう整理しなければならない。
第十五条
特定港湾管理者は、次の各号のいずれかに該当すると認められる場合において、港湾環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあるときは、対象港湾計画に定められる港湾開発等に係る港湾環境影響を的確に把握できる時期において環境の状況を把握するための調査(以下この条において「事後調査」という。)を行わなければならない。
特定港湾管理者は、事後調査の項目及び手法の選定に当たっては、事後調査を行う項目の特性、港湾計画特性、地域特性、事後調査の実施に伴う環境への影響、関係する地方公共団体その他の主体との協力の方法、必要に応じて受ける専門家の助言等に留意し、次に掲げる事項をできる限り明らかにするよう努めなければならない。
特定港湾管理者は、事後調査の終了並びに事後調査の結果を踏まえた環境保全措置の実施及び終了の判断に当たっては、必要に応じ専門家の助言を受けることその他の方法により客観的かつ科学的な検討を行うよう留意しなければならない。
第十六条
特定港湾管理者は、対象港湾計画に係る準備書に法第四十八条第二項において準用する法第十四条第一項第二号に規定する対象港湾計画の内容を記載するに当たっては、次に掲げる事項を記載しなければならない。
特定港湾管理者は、対象港湾計画に係る準備書に法第四十八条第二項において準用する法第十四条第一項第三号に掲げる事項を記載するに当たっては、入手可能な最新の文献その他の資料により把握した結果(当該資料の出典を含む。)及び第三条第二項の規定による聴取又は確認により把握した結果を同条第一項第二号に掲げる事項の区分に応じて記載しなければならない。
特定港湾管理者は、対象港湾計画に係る準備書に第一項第一号及び第二号に掲げる事項並びに前項の規定により把握した結果を記載するに当たっては、その概要を適切な縮尺の平面図上に明らかにしなければならない。
特定港湾管理者は、対象港湾計画に係る準備書に法第四十八条第二項において準用する法第十四条第一項第五号に掲げる事項を記載するに当たっては、当該港湾環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法を選定した理由を明らかにしなければならない。
この場合において、当該港湾環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法の選定に当たって、専門家等の助言を受けた場合には、当該助言の内容及び当該専門家等の専門分野を併せて明らかにしなければならない。
特定港湾管理者は、対象港湾計画に係る準備書に法第四十八条第二項において準用する法第十四条第一項第七号イに掲げる事項を記載するに当たっては、第七条第五項並びに第八条第三項及び第五項において明らかにできるようにしなければならないとされた事項、第七条第六項において比較できるようにしなければならないとされた事項、第八条第四項において明らかにできるよう整理するものとされた事項並びに第九条第二号、第四号及び第五号において明らかにできるようにすることに留意しなければならないとされた事項の概要を併せて記載しなければならない。
特定港湾管理者は、対象港湾計画に係る準備書に法第四十八条第二項において準用する法第十四条第一項第七号ロに掲げる事項を記載するに当たっては、第十二条の規定による検討の状況、第十三条の規定による検証の結果及び第十四条において明らかにできるよう整理しなければならないとされた事項を記載しなければならない。
特定港湾管理者は、対象港湾計画に係る準備書に法第四十八条第二項において準用する法第十四条第一項第七号ハに掲げる事項を記載するに当たっては、第十五条第二項により明らかにされた事項を記載しなければならない。
特定港湾管理者は、対象港湾計画に係る準備書に法第四十八条第二項において準用する法第十四条第一項第七号ニに掲げる事項を記載するに当たっては、同号イからハまでに掲げる事項の概要を一覧できるようとりまとめて記載しなければならない。
第十七条
対象港湾計画に係る法第四十八条第二項において準用する法第十五条に規定する港湾環境影響を受ける範囲であると認められる地域は、一以上の環境要素に係る港湾環境影響を受けるおそれがあると認められる地域とする。
第十八条
第十六条の規定は、法第四十八条第二項において準用する法第二十一条第二項の規定により特定港湾管理者が対象港湾計画に係る評価書を作成する場合について準用する。
特定港湾管理者は、法第四十八条第二項において準用する法第二十一条第二項の規定により対象港湾計画に係る評価書を作成するに当たっては、対象港湾計画に係る準備書に記載した事項との相違を明らかにしなければならない。
第一条
この省令は、平成十八年九月三十日から施行する。
ただし、附則第二条第三項、第三条第三項、第四条第二項、第五条第三項、第六条第三項、第七条第三項、第八条第三項、第九条第三項、第十条第三項、第十一条第三項、第十二条第三項、第十三条第三項及び第十四条第三項の規定は、公布の日から施行する。
第四条
特定港湾管理者(港湾環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針、環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令第二条に規定する特定港湾管理者をいう。次項において同じ。)が施行日前に環境影響評価法第四十八条第二項において準用する同法第十六条の規定に基づく準備書の公告を行っている対象港湾計画(同法第四十八条第一項に規定する対象港湾計画をいう。)については、この省令による改正後の港湾環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針、環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令(次項において「新港湾計画選定指針等省令」という。)第三条から第十八条第一項までの規定にかかわらず、なお従前の例による。
特定港湾管理者は、施行日前においても、新港湾計画選定指針等省令第三条から第十六条までの規定の例による準備書の作成等を行うことができる。
この場合において、当該準備書の作成等は、新港湾計画選定指針等省令の相当する規定により施行日に行われたものとみなす。